仕事でもプライベートでも役に立つ!目標設定に関する基礎知識

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今回の探究テーマ

ビジネスをやっていたら必ず求められるといっても過言ではない「目標設定」のスキルですが、組織開発や企業研修の仕事を通して多くのビジネスパーソンにお会いする中で、ビジネスパーソンなら誰でも目標設定が自然と上手にできているかというと、目標設定に関していろいろ誤解があったり、そもそも目標設定の方法についてちゃんと学んだことがないという方も多くいらっしゃるようです。今回は、これをやったら目標設定が上手にできるという3つのポイントを解説します。

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ビジネスをやっていたら必ず求められるといっても過言ではない「目標設定」のスキル

「PDCAサイクルをまわしましょう」「まず、Plan(プラン)して…」みたいな話もありますけれど、目標設定はビジネスをやっていると、必ずといっていいほど求められることだと思います。

組織開発や企業研修の仕事を通して多くのビジネスパーソンにお会いしますが、ビジネスパーソンなら誰でも目標設定が自然と上手にできているかというと、結構難しいと感じている人も多かったり、目標をまた設定しなきゃいけないのか、面倒くさいなとなっている方も多いように感じています。

また、詳しく話を聞いてみると、目標設定に関していろいろ誤解があったり、そもそも目標設定の方法についてちゃんと学んだことがないという方も多くいらっしゃるようです。

今回は、これをやったら目標設定が上手にできるというポイントを大きく3つにまとめました。それぞれ解説していきたいと思います。

  1. 大前提として大事なこと「目標は自分で設定する」から意味がある
  2. 実は目標設定には個性がある!あなたは何タイプ?「適切な時間軸で設定する」
  3. いい目標設定ができたかどうかの判断基準は「達成したときの価値や喜びのイメージ」できるか

目標設定をするときに大事な3つのポイント

1.目標設定は自分でする

まず、非常に重要な大前提の土台となる部分についてお話します。

「目標を設定する」必要がある場面でいうと、まずよくあるのは、会社で仕事上の目標を設定しなければならない、強制的に設定させられるみたいな状況が多いのではないかと思います。これは、どちらかというとノルマを課されたとか、しぶしぶ目標と呼ぶものになったというような受け身の目標です。

正直、こういった目標が上手く機能することはあまりありません。

もちろん目標が設定されて、その目標を達成するべく、日々追いかけて頑張りましょうとなって何とか目標を達成はできるかもしれません。

ですがそのとき、「やったー!目標達成できてよかった!」という達成感や充実感はあまり感じられなかったり、「この目標は達成したということは、また次の目標を立てないといけないのか…」とどんどんやる気が失われてしまったり、、、頑張れば目標を「達成すること」はできたとしても、目標設定によって人のやる気や情熱を引き出すことができていないということはよく起こります。

何でそういうことが起こってしまうかというと、これはそもそも自分で目標を設定していないからということにつきます。

もちろん会社の仕組みの中で、「今期の目標や四半期の目標を目標設定しましょう」みたいなことは、プロセスとしては生じると思います。でも、ちょっと一旦それを置いておいてですね、そもそも目標というのは自分で目標設定するものなのだということを前提に考えてみていただきたいと思います。

具体的にどういうことかというと、例えば今年自分は会社の評価制度の中でA評価を取るぞと、自分で目標設定します。これは決して、A評価(最もよい評価)を取ろうという考え方でなくても構いません。今年は自分は、B評価とかC評価で構わない、その代わり めちゃめちゃ趣味を充実させるぞみたいな目標設定でもいいのです。そうすると、自分はD評価にはならないくらいには頑張るけれども、B評価でもいいくらいの時間の割き方を仕事に対してするみたいなことだって自分で選べるわけです。

ちゃんと自分の時間として、自分の仕事として、自分の人生として、目標設定するということがものすごい重要です。会社の中でどうしても「設定された目標」に取り組まなくてはいけないことはあるかと思いますが、本来であれば目標は設定させられるものではなく、自分で設定するものです。

これものすごい重要な大前提になりますので、是非大切にしていただきたいと思います。

会社の中などで、「目標設定しなければならない」場面での目標設定はいったん置いておき、自分の時間として、自分の仕事として、自分の人生としての目標をまずは考えてみる。

特にこれまで目標を設定したことがなかったり、人から設定された目標で動いてきた方は、自分で設定するものなんだということを是非知っていただければと思います。

自分のための目標設定といったときに、どんな目標を立てればいいのか、ぽかんとなってしまう方もいるかもしれません。いろいろな考え方がありますけども、私たちがよくやらせていただくのが、「人生の車輪」というワークです。

人生の車輪ワーク|Dialogue space
人生の車輪ワーク|Dialogue space

人生の車輪は、個人のビジョンを描くために便利なフレームワークです。人生において欠かせない8個の要素それぞれにおいて、自分はどんな状態を実現したいのかを設定します。

これは完全に、「会社に言われて」や「上司に言われて」というものとは違うレベルの目標設定です。自分が自分の人生において、このような仕事の状態を実現したいとか、収入や資産の状態を実現したいとか、家の状態、趣味の状態…このような状態を実現したいというのを設定するものになります。

こういったフレームワークを使うのも1つの方法です。

あとは単純に、お正月に今年の目標を立てるというやり方もあります。仕事面であったり、趣味についてであったり、健康面なんかもあるかもしれませんし、何でも構いません。大事なことは、その目標が自分にとって納得感があり、本当に実現したいと思えることであることです。

人生の車輪ワークに取り込んでみたり、年末に自分は「こんなセリフを言っていたい」「こんな状態を実現したい」というものを自分なりに考えてみる。

適切な時間軸で設定する

2つ目は、適切な時間軸で設定するということです。

目標設定の時間軸は、それこそ会社だと決められていることがほとんどです。「今年の目標を立てましょう」とか、「この四半期の目標を立てましょう」みたいに、いつまでに頑張るのか、時間軸は目標を立てる時点で既に決まっているものだと思います。

会社としては管理の都合上、今期や四半期という決められた時間軸で目標設定するのはもちろん大事なので、それを無視しろといっているわけではなく、ちゃんと業務上やるべきことはやっていただきたいんですけれども、実は目標設定の時間軸の置き方は人によって個性があります。

ですので、本当に自分が設定する目標の時間軸は、ぜひ次にご紹介するタイプを知った上で、自分にとって設定しやすいものや納得感が高いものから考えていただくことをおすすめします。

未来型

10年後や20年後に、こういう風になっていたいという目標をしっかりと設定して、それを達成するための逆算として目標設定していけるタイプの人です。

10年後は例えば、こういった業界で、こういったポジションについて、こういった仕事をしていたい。そのためには5年後までには、こういう経験を積んでいなくてはいけなくて、そのために今年チャレンジすべきことはこういうことである。「10年」といったような時間軸で目標を設定して、そこから逆算して計画に落とし込んでいくということが、好きで得意、納得感を持ちやすいというタイプです。

前進型

10年後と言われてもピンとこないけれど、1年後や3年後ぐらいの目標であれば、ありありと描くことができるし、自分としてもモチベーションになるというタイプの人です。

1~2年、もしくは2~3年くらいのスパンで、こういう経験を積んでいきたい。このあたりでいろいろなキャリアを積んでいきたい。試行錯誤していきたい。スキルを身につけていきたい。みたいなことを思い描くのが楽しい、好きで得意だというタイプです。

現在型

未来型や前進型のように将来のことを設定するということに、あまり興味がなかったり、ピンとこなくて、何か時間軸で将来この状態を実現するためにこれを頑張っていきましょうという考え方自体が、そぐわないタイプの人もいます。でも「毎日こういったことを大切にしながら仕事をしていきたい」「日々の生活でこういうことを大事にしたい」というのは、すっと出てくる方は現在型かもしれません。

例えば自分で自炊して、ご飯を食べれる状態を毎日キープしていたい、ちゃんと毎日お掃除していたい、一日一日のやるべき仕事をちゃんと完了して終わらせたい…そういったことを日々積み重ねていくことを大切にしたいというようなことを、ある種の目標設定としておきたいタイプです。

後進型

20年後や30年後の目標は頭の中にあるけれど、例えば「世界平和」くらい抽象度が高かったり、漠然としていて、しっかりと目標を描くとなると難しいタイプの方もいます。

このタイプは、その目標のために、これまで過去どのような経験をしてきたのか、どのような取り組みをしてきたのかを考えていただくと、いろいろな出来事が出てきて、それはやはり目標と繋がっているように感じられることが多いようです。

目標設定タイプ|Dialogue space

目標設定の時間軸のタイプ分けの中でいうと、自分はどのタイプか考えてみる。自分にあう時間軸で、人生の車輪など自分としての目標を考えてみる。

このように、実際にはいろいろなタイプがあるんですけれども、会社では、例えば「四半期で何を達成しますか」みたいなことを求められます。それをちゃんと設定するのは業務上もちろんやっていただきたいんですけど、自分自身 本当に自分が主人公でキャリアをつくっていくという意味でいくと自分が設定しやすい時間軸の目標を設定するというのがすごく大切になります。

ちなみに石川の場合だと、3年~5年スパンくらいの目標設定がしやすい前進型です。3年かけてこんな状態をつくっていきたいなみたいなことは考えられるんですけども、長期的な10年後や20年後についてはあまり興味がなかったり、考えてみたところで変わってしまうからな、というタイプです。

でもこれがはっきりと10年後を描けるタイプの人もいます。これは本当に人それぞれタイプが違いますので、自分にとっての目標設定の時間軸をぜひ1度考えてやってみていただきたいと思います。

3.達成したときの価値や喜びのイメージ

3つめは、「目標を設定しました」といったときに、その目標がいい目標かどうかの判断基準となるものです。目標設定したときにセットで必ず考えてみていただきたいのは、達成したときの価値や喜びのイメージができるかどうかです。

例えば、今年 評価面談のときにA評価を取るみたいなことでもいいですし、営業売上3,000万円を超えるみたいなことでもいいですし、例えば5年後までに年収1,000万円以上になるみたいな目標設定でも、何でも構わないんですけど、いずれにせよ、例えばそういった数字みたいなものを目標にいれていたときに、その数字が達成できたときに、自分にとってどんな価値があるのか、どんな喜びがあるのかということもイメージしていただきたいです。

さきほどの例でいうと、今期A評価が取れた取れたときの自分をイメージしたらすごい自信になっているだろうな、同期と比べてもいい評価なことに対して自信が持てる、胸を張れるなとか、すごく嬉しい、もっと仕事を頑張ろうと思えているだろうなとかイメージできるかもしれません。

このイメージがすごく大切です。もし、A評価を取ると目標設定して、それに対して自分なりの価値や意味がなかったら、その目標に向けて頑張ることは非常に難しいです。そうではなく、今年それを達成できて、自信が持てたら素晴らしいんだという風に思えたら それは頑張れます。

自分で頑張りたいと思える目標設定になっているかどうかが、ものすごい重要なわけです。

自分で設定した目標について、達成したときの価値や喜びをイメージしてみる。いまいち価値や喜びを感じられないようであれば、目標をもう1度見直してみる。

何年以内に○○を達成するみたいに数字をおいてみたとしても、その意味は何なのか、本当に価値は何なのかというのを想像したときに、自分として納得感のあるものになっているかどうかというのは是非チェックしていただきたいですし、それ自体をイメージするということを目標設定の際に必ずしていただきたいと思います。

今回は、目標設定に大切なポイント3つお伝えしてきました。実際に目標を達成しようと思ったら、目標を計画に落とし込んでいって、日々実行していくということが必要になるわけなんですけども、この計画の作り方についてはまたどこかで別途お話しできればと思います。

まずは目標設定するというときに、今回お話したポイントを是非意識してみていただいて、自分なりの目標を設定しながら自分で自分のキャリアをつくっていく、そんな風に過ごしていただければなと思います。

目標設定をするときに大事な3つのポイントは

  • 目標設定は自分でする=目標は自分設定するもの
    ⇒人生の車輪を使って自分の人生の目標を考えてみる
  • 適切な時間軸で設定する
    ⇒時間軸で目標設定するといいかは人によって違う
    ⇒自分がしっくりくる時間軸で考えることが重要
  • 達成できたときの価値や喜びをイメージする
    ⇒自分にとって価値があるか / 喜びがあるか
    ⇒価値や喜びをイメージできない目標は頑張れない
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