「私の個性はこれだから」の罠――自己診断ツールを活かす人、縛られる人

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「自分にはどんな強みや個性があるのだろう?」

そう思って、MBTIやストレングスファインダー、星座占いなどの「診断ツール」を試したことがある方は多いのではないでしょうか。

自分の資質や傾向を知ることは、自分という人間を深く理解し、豊かに生きていくための大きなヒントになります。

しかし一方で、「自分の個性を知ったはずなのに、なぜか生きづらくなったり、人間関係がぎくしゃくしてしまう」という落とし穴にハマってしまうケースも珍しくありません。

今回は、世の中にある様々なツールを使いながら「自分の内側をよく観る」ためのヒントと、個性を知ったあとに陥りがちな「罠」の避け方についてお話しします。

個性は探して終わりではない、診断ツールとの上手な付き合い方

「思い込み」と「個性」の違いとは?

自分の内側を探究していくときに、まず知っておきたいのが「思い込み」と「個性」の違いです。

  • 思い込み:「絶対こうあるべきだ」という執着が強く、それ以外を「間違っている」と排除してしまう状態。
  • 個性:「自分はこれが好き(得意)だけれど、そうではないものが好きな人もいるよね」と、自分と他者の違いをそのまま受け入れられている状態。

両者の大きな違いは、「他者や異なる価値観への余白(余裕)があるかどうか」にあります。

※思い込みと個性の違いについては、詳しくは別の記事で解説

「〜すべき」を手放して軽やかに生きる。「思い込み」と「個性」の見分け方
なぜか心が重くなる……その原因は「思い込み」と「個性」の混同かもしれません。人間の心を解き明かす「三層構造」の視点から自分の内側を「よく観る」ことで、不要な固定観念を手放し、軽やかに生きる方法を解説します。

自分の思い込みを一つひとつ手放し、本当の個性を大切にして生きられたら理想的ですよね。ですが、そこで誰もがひとつの問いに突き当たります。

それは、「自分の本当の個性(=思い込みではないもの)とは何なのだろう?」という問いです。

自己探究の「メガネ」としてツールを活用する

現代には、自分の個性を知るためのツールやヒントが溢れています。

古くは血液型診断(科学的根拠の有無は別として)や12星座占いなどが代表的です。ちなみに私自身、12星座占いは人の資質や傾向をとらえる際、判断材料のひとつとして結構役に立つと感じています。

人間の個性は千差万別ですから、12タイプに綺麗に分類できるわけではありません。それでも「確かに自分には獅子座的な要素が強いな」「他のタイプの人からはこう見えているのかもしれない」といった、自己理解の客観的な視点(メガネ)を与えてくれます。

また、若い世代を中心に定着している「MBTI(16性格診断)」をはじめ、ビジネスやコーチングの世界で使われる「ストレングスファインダー」、個性の響きを捉える「Sound Souls」、心理学的な「エニアグラム」、あるいは東洋の「算命学」や「四柱推命」など、実にさまざまなアプローチが存在します。

これらはすべて、「自分の内側を観るための探究の材料」です。

「自分はこういう人間だと思い込んでいたけれど、実はこうした一面も持っていたのかもしれない」 そんな新たな自分に気づくきっかけとして、活用できるものはどんどん活用していくと良いでしょう。

「個性の診断ツール」の落とし穴

しかし、こうした診断ツールを活用する上で、ひとつ気をつけたい重要なポイントがあります。 それは、「個性」を知ったはずが、新たな「思い込み」や「固定観念」にすり替わってしまうという落とし穴です。

本来、個性とは他者との違いを認める柔軟なものですが、ツールで自分のタイプを知った結果、逆に「思い込み」を強化してしまうケースがあります。

「私の個性はこうなんだから、理解してください」
「私はこういう人間だから、これはできません」

このように「個性を盾にした主張」になってしまうと、周囲とのコミュニケーションは攻撃的・一方的になり、結果として人間関係を自ら閉ざしてしまうことになりかねません。

事例:ストレングスファインダーの「活発性」

私自身の例で考えてみます。私はストレングスファインダーをやると、「活発性」という特性が出ます。

これは一言で言えば「深く計画を練る前に、まず動いてみる」という資質です。実際に私自身、この「とりあえずやってみる」という感覚を大切にした方が物事がスムーズに進むことが多く、大切な個性だと認識しています。

では、チームで動くときに「自分の個性は活発性だから、全員とにかくすぐ動こう!」と押し通して良いでしょうか?

チーム内に「しっかりと段取りを組んでから動き出したい人」がいる場合、一方的に動き出すスタイルは大きなストレスを与えてしまいます。

ここでは、自分の「活発性」という個性を理解した上で、

  • このチームでは、どれくらい段取りを組むのか
  • 段取りを重視する人には、どう配慮すればお互いに心地よいか
  • どの範囲なら、とりあえずやってみてもいいのか
  • そのときのルールをどうするか

といった視点が不可欠になります。

また、いくら強みが活発性でも、自分もある程度は段取りを組むスキルや経験を持っておくことが大事です。そこが一番個性を発揮できる領域でなくても、他の領域の力を磨いておくことには意味があります。

個性を活かすことは大事。でも、それだけで十分というわけではありません。

もちろん、自分の強みや個性を活かさなければ、高いパフォーマンスを発揮するのは難しいでしょう。

けれど、たとえ「一番の得意分野」ではなくても、必要な知識やスキルを身につけておくこと。それによって他者と共創できる場面が増え、結果として自分の個性を活かせる舞台そのものを広げていくことにつながるのです。

強み(ドライバー)だけでコースは回れない

個性を活かすことは、卓越した自分らしさを発揮するためにとても大切です。 しかし、「個性(強み)だけを伸ばしていればいい」というほど、人間の成長や生き方は単純ではありません。

ゴルフに例えてみましょう。 ドライバーショットで圧倒的な飛距離を出せる選手がいるとします。「遠くに飛ばす」というのは間違いなくその選手の素晴らしい個性であり強みです。

ですが、ドライバーショットだけが上手くても、バンカーショットやアプローチショットといった繊細な技術が拙ければ、ゴルフのスコアをまとめることはできません。

「自分はドライバーが得意だから、アプローチの練習なんてしなくていい」とこだわりに捉われてしまうと、ゴルファーとしての可能性を自分で狭めてしまうことになります。

強みを活かすことと同じくらい、他の技術も過不足なく育てること。 「自分らしさ」に固執しすぎて自由さを失ってしまうのは、とてももったいないことです。

総括

お互いの内側を観て、響き合う関係へ

自分自身の内側をじっくりと「観る」こと。 その第一歩は、まず自分の中にある「〜すべき」という「思い込み」を脱ぎ捨て、自身の無意識のパターンや好き・得意といった「個性」に光を当てることです。

そして同時に、「自分とは異なる個性を持った他者」が存在することを深く理解すること。

夫婦やパートナーシップ、あるいは職場のチームなど、あらゆる人間関係において、お互いがそれぞれの個性を持ち寄り、補い合いながら生きていく。

そのためにも、まずは診断ツールなどを軽やかに使いながら、自分の内面への探究を深めてみてください。自分という存在を深く知ることが、豊かな生き方へとつながる確かな土台になります。

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【個性を知って、個性を活かすための基礎知識】+個性の落とし穴に気を付ける

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