実務経験がない領域のマネジメントをすることになったとき、大前提気を付けるべきことは?

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今回の探究テーマ:営業職 マネージャー 30代 男性 Mさん

異動になり実務経験がない領域のマネジメントをすることになりました。こういうとき、大前提として大事なことや部下とのコミュニケーションのポイントは何がありますか。

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実務経験のない領域でマネージャーをすることになった

異動になって、実務経験がないところのマネージャーになったんですけど、この場合のマネジメントってすごい難しいなと思っていて。360度サーベイみたいなのあるじゃないですか。1年間だましだましやってたんですけど、ついに実務の方をわかってなさすぎるみたいな意見をもらったんですよ、匿名なんですけどね。

 

で、まぁそこは自覚もしてたんですけど、何て言うんですかね、自覚はしてはいるんですけど、ちゃんとキャッチアップもしなきゃいけないとかわかるんですが、普段そのプロダクト触るわけではないので、お客さんがどう見ているかというのを完全に理解できず、営業に憑依はできない状態なんですよ。

 

すごくお客さんに近くて、営業としてもできてプロダクトも理解しているメンバーが何人かいるんですけど、議論の中で2択でAの方が僕はいいと思っていても、メンバーからしたらBの方がいい。それはお客さんからこういう意見を言われるとか、すごい定性的なことでBの方がいいということが結構起こるんですよね。そのときにまぁわかるけど、引いてみて、やっぱり全体でみたらAだったのがあったりとか場面としてはするんですけど、何ていうんですかね。

 

Aだっていうのを主張した瞬間に、ただでさえ(事業環境が厳しい状況で)コンディションの悪いメンバーたちが、こいつは何もわかってねぇみたいになるわけですよ。で、そこのバランスの取り方というか、バランスの取り方じゃないかもしれないんですけど立ち回りの仕方というか、みたいなのもちょっとどうしようか…と考えています、最近。

360度評価 / 360度サーベイ

主に1人の人物に対して、上司・同僚・部下といったさまざまな立場の人たちから多面的に評価される評価の方法。

実務経験がない領域のマネジメントをするときに、まず大前提、ご自身でも言ってましたけどちゃんとキャッチアップする努力をするというのはあります。

例えがぴったりじゃないですけど、スポーツで助っ人外国人とかが来たときに、日本語すごい覚えてきたなこの人ってなったら、やっぱり嬉しいなみたいな。

単純にそういうものなので、それはどこまでいっても10年選手には敵わないみたいな、叩き上げじゃないし わからないみたいなことはもちろんあるんですけど、キャッチアップする努力自体は放棄してはいけないというのは大前提だと思います。

実務経験がない領域のマネジメントをするときに、大前提として、「自分は実務やったことないから」とキャッチアップする努力自体は放棄してはいけない

ただ とはいえ、部下の方が詳しいという状況を、いつまで経っても逆転できるまでにはいかないみたいなことは全然あり得るときに、部下から教わるスタンスというのはそれはそれで持っていたらいいなと思います。

私は先輩から「教わったらいいんですよ、管理職も、部下の方から」という風に言われて、「そうなの!?」みたいな、「(管理職って)教えるだけじゃないの?」みたいにすごい衝撃を受けた記憶があるんですけど、これは本当にそうだなと思います。

わからないところはちゃんと教えてもらって、敬意を払って、教えてもらいましょうということをそれ以来 自分もすごい意識しているんですけど、別に上司/部下ということだけでなくても、自分より専門を持っている人はいろいろなところにいます。

例えば自分が将棋を趣味で始めました。で、将棋教室などに行ったら、中学生の方が全然強くて上手かったということは全然あり得たときに、なんだよ、中学生のくせにとはならなくて、将棋については先生だし、ちゃんと教わったらいいというのと同じで……上司だから偉そうにしてなければいけないとか、常に上からじゃなきゃいけないと思いすぎていると、上手くバランスが取れないときはあると考えています。

もちろん実務経験があるから、部下をリスペクトして教えてもらおうはあるんですけど、マネージャーとしての判断は譲ってはいけないところがどうしたってあるので、何でも何でも、じゃあ部下の言うとおりにしたらいいですということにはなりません。

実務について知らない、知識として単純にわからないところは「ごめん、それ知らないから教えて」「ありがとう」「キャッチアップ足りなかったから」「今後また引き続き頑張るね」みたいなコミュニケーションはそれはそれで大事だと思います。

そうですね…何か途中で聞くに聞けなくなっちゃってたなって、思ったら…なんか知ってなきゃいけないみたいなことを、最初は聞けてたんですけど、何かどっかで、さすがにこれ以上は聞けないなと線を切っちゃったんだと思って。なんかそこはもしかしたら少し、心理的なゆとりじゃないですけど、ちゃんと聞くみたいなのは大事にした方がいいのかなっていうのは、今の話のおかげで思いました。

 

(聞くに聞けないでいると)どんどん首締まっている感じがあるので。

絶対にNGなのは「知ったかぶり」をすること

仮にもし私が、ある会社でシステム部の部長やITの責任者みたいなものを、5年間やってくださいとなって、絶対にプログラミングや最先端技術を分かってない中でいくときに、一生懸命勉強はするけど、基本自分が在任中に部下には敵わないんだなという前提でやると思います。

でも、マネージャーとして判断するレイヤーは、その細部を知っているかどうかとはまた別の話だったりするので、あなたの方がこの領域に詳しいから、別にマネージャー職もあなたの方が向いてますねにはならないので、「専門知識についてはごめん、ずっと教わるわ、頑張るけど教えてって」「教えてくれてありがとう」という関係性だろうなと思います。

冒頭お話していた、A案とB案があって、これどっちの方がいい?と聞いたら、メンバーはBがいいと言っていて、(何故ならよくわかってなかったから)マネージャーとしてAがいいと言っちゃったみたいなときに、何か自分は見えてる情報が少なかったり足りてないという可能性がありそうなら、スッと「ごめん、わかってない、教えて」とそのちゃんと生徒になるモードを出せたら、いいのかもしれないです。

マネージャーに対するリスペクトは、そこだけでも決まらなくて、ちゃんと他のことは判断しているとか、引っ張ってくれているとか、コミュニケーションし取ってくれてるとかがあれば、別にそれで部下からの信頼がガタッとなくなるわけではなくて、むしろ この人はマネージャーとしてやるべきことはやっていて、でも わからない専門分野についてはちゃんと頭を下げられる人なんだなみたいなのは、どちらかというとほとんどの部下にとってはポジティブに捉えられると思います。

変に知ったかされたり、わかってないくせに何かわかった感じ出しやがっての方が部下としては嫌なことが多いと思います。

いやぁ…知ったかしてましたな……。

上司だから偉そうにしてなければいけないとか、上司はすべてわかっていなければいけないということはなく、もし自分には見えていなかったり足りていない情報や知識があるのであれば、部下からでも敬意を払ってちゃんと教えてもらうスタンスの方がおすすめ。マネージャーとして判断するレイヤーはまた別の話なので、これは部下の言いなりになるということでは全くありません。

知ったかぶりをするのは1番やってはいけないこと。

実務経験がない領域のマネジメントをすることになり部下の方が専門性が高いときは

  • 【大前提として】ちゃんと部下に教わればいい
    ⇒全部、上司の方が知らなきゃいけないわけじゃない
  • 知ったかぶりをするのは最もやってはいけないこと
    ⇒わからないことは、部下に敬意を払い、感謝し、教わる
  • でも「マネージャーとしての判断」というのは別物
    ⇒部下の言いなりになるというわけではない
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