会社で人が辞めていく中で、自分が持っている課題感と役員や他のメンバーの感覚に温度差があるような気がします

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今回の探究テーマ:コンサルタント マネージャー 30代 男性 Tさん

会社で、人がどんどん辞めています。そんな会社の状況を考えたら、自分がもし経営者なら「私たちは何者か?をみんなで話し合う」ということをやりたいと思ったりするのですが、経営陣や他のメンバーはあまり自分とは同じ温度感ではない気がします。

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会社の経営層の方向性と自分がいいなと思う組織の在り方が異なる

今 探究したいのは、会社との距離感と、そこからくる自分の歩み方みたいなところですかね。

なるほど。会社との距離感や歩み方について、現状どんな感じか。差し支えない範囲で、一旦ちょっと教えてもらってもいいですか。

今 小さいコンサル会社にいて、人が結構バタバタ辞めています。元々去年末まで30名いたのが、今の時点(半年後)で、なんと10名減って、20名になっていると。自分からすると、結構どうしたという状況で、辞めた理由は人それぞれなんで、一概には言えないものの、かといってこう…一概には言えないけど、何かしら原因はあるんだろうなと個人的には思っています。

 

10名辞めても10名入ってくれば、別にいいと思うんですけど、10名辞めても人が入ってこないという状態で、人も何か変に…今まで5名とか増えていたのがすごい減ってきていてという状態です。

 

それに対して、会社としては、「大変だね、どうしようかっね」みたいなことは言うものの、何か真剣に向き合っている感じがしないというか。私が、自分が経営者だったら、というか、自分がその状態にトップとして直面していたら、我々はそもそも何者なんだろうみたいなことをすごい社員全員で話すかなぁって思ったんですよね。

 

それは何か上が、組織を、小さい会社を1個の総体としてみたときに、全員の意見をやっぱりきちんと聞いて方向を揃えて、土台を整えてってしないと、ガラガラ崩れていくんだろうなって思うのでそうしたいなって思うんですけど、そういうことをする気もないし、したいならすれば無駄だと思うけどくらいの感じで捉えているような印象を受けています。

 

で 何かそれに対して自分はすごい温度感というか、価値観が違うなというところを結構思っていて、会社としては割と経営層はもう外資の同大手コンサルの出身で、何か組織としてどうあるかを…何だろうな…組織をつくるかみたいなものより、個人個人がいかにひとりのコンサルタントとしてプロであるかみたいな方に重視をしているので、そこは自分と方向性というか、向いている方向がちょっと違うのかなぁみたいなところを思ったりすると。

 

ただ一方でじゃあ方向を違うことを認識した上で、じゃあ自分はどうするのみたいなところにまだ答えが出ていないみたいなところが最近の悩みですかね。

何か今 お話いただいた中で、半分くらいはTさんご自身の答えというか 方向性みたいなのがあったような気はしつつ。その組織観とか仕事観みたいなものって、人それぞれあるときに、Tさんとしては、その組織にいるみんなで考えながらつくっていく組織がいいな、好きだなというのは感じているということですよね。

そうですね。

それに対して、ひとりひとりプロだから、ひとりひとりがプロとしてやっていけばいいんじゃないか。組織みたいなところは、そんなに気にしなくてもいいんじゃないというトーンが、今の所属会社にありますと。

そうすると、理屈でいえば、「この組織の中で組織を変えていくのか」「違うから離れるか」という、大きくその2つのベクトルになるかなと思いますけど、今 Tさん自身は、どっちの方が心惹かれているなとかありますか。

個人的には、その組織の中で変えていくという方向なんですよね。それはリスクがないとかそういうのもありますけど、何かせっかくこう自分が今 得をしていて、何らか影響を与えられる存在でいて、そこに対して何もせずに違うから出ますわというのは、両面あってそりゃそうだよねという話もあるし、でもそれをやる…やれたことをやっていないっていうのもあるよねっていう感覚があって、どちらかというとそのやれたはずのことをやらないで去るんだっけというのはありますね。

 

ただ割と経営層&その他メンバーがそこに課題感を抱いてないので、腹減ってない人に腹減ってますよねと言いにいくようなものなので、これはもうどん詰まりの可能性も高いなというのが見えていて、それをやることが徒労に終わるんじゃないかみたいな懸念もあってどっちにもいけないみたいな感じですかね。

本当に自分がやりたいことができる適切な場所はどこか

ちょっと聞いていて思ったのは、僕はその組織みたいなのは何でも変わらなきゃいけないのかとかというと、ケースバイケースだなと思っているんですけど、例えば、ちょっと極端な例ですけど、阪神タイガースのファンクラブに入りました。

そこで読売ジャイアンツの応援もしましょうよって話をしだしたら、いやいやだったらあなた、ジャイアンツのファンクラブに入った方がいいと思うよという話になるじゃないですか。

(笑)

いや 阪神ファンなんだけど、もっと子どもたちの野球人口を増やしていかないと、将来の阪神が弱くなっちゃうからもっと野球人口を増やすことについて話し合いましょうよって話をしだしたら、いやでも僕ら目の前の阪神の試合を観て、勝った負けたで楽しいので、それがやりたいんだったら何か他のところあるんじゃないですか、みたいなことはあると思うんですね。

だったときに、阪神のファンクラブが変わらなきゃいけない。だって阪神のファンクラブに入っているし、というのは違うかもしれないですよね。本当に自分がやりたいことをできる適切な場所はどこなのかというのは、それはそれであるなと思います。

所属している組織を変えていく動き、この組織で自分のやりたいことができるように頑張ろうという取り組みが大切なこともありますし、もしかしたらあなたが変えたい、やりたいと思っていることは他の場所でやる方が適切なこともあるかもしれません。本当に自分がやりたいことをできる適切な場所はどこなのか、考えてみることは大事。

あと、経営者の方や創業者の方、所謂社長さんたちと私も仕事柄たくさん話をしてきましたけど、社員さんが辞めちゃうと結構傷ついていたり、へこんでいたり、悲しかったりしています。

してるんですけど、傷ついていないことにするとか、傷ついているんだけど、人それぞれだからと言い聞かせれば、傷が浅くなるからとか…という受けとめ方しかできないみたいなフェーズやケースもそれはそれで正直あったりするなというのもあります。

また、会社組織というところでいうと、すごい明確に、会社は株主のものという法律上の形を持っているので、創業社長や創業メンバーが株を100%持っています。例えば、その創業メンバーの3人が食えていれば、極論別に何でもいいっちゃ何でもいいという面もあります。

その会社では、その人たちがやりたいようにやればいい。で、別に規模も追いかけてないし、創業メンバーの3人が食うに困っていなきゃいいよねだったら、極論それはそれでも成り立っちゃうわけなので、さっきの話を聞いていると、そのボードメンバー(経営幹部)たちが、課題感がそんなにないという話で、あんまり組織の規模とかを追いかけてもないし、人が減ったことを気にしてもないのであれば、それはそうかというのもあります。

恐らくある側面からみたら課題はあるんでしょうけど、そこを課題として取り組みませんよという経営判断というか、その組織のリーダーとしての価値観として取り組まないというのは、それはそれであるかと思います。

会社は株主のものという法律上の形を持っている。会社の方向性や大方針の最終決定者は株主ということは知識として押さえておく。

コンサル業界の特徴などから考えてみると

ここまで聞いてみて、Tさんが思うことは何かありますか。

仰るとおりで、うちの会社は規模は求めていないって明言しているんですよね。30名くらいでこじんまりやってて、優秀な人が集まってて…がいいみたいなことは、それは明言してて。

 

何か私もそれはこう、ああ、そうなんだって思ったし、それはあるものの、自分が成長していく…何だろうな…自分がコンサルタントとして成長していきたいんで、スキルを身につけていくみたいなところだと別にそれでいいなって思ったんですよね。その方が密度が濃いじゃないですか。

 

それはそうだなぁって思ったんですけど、自分がマネージャーになって、人も見ていくみたいになったときに、でもなんかそれはそれで変わらないなぁって思って。

 

なんか組織…チームってまぁ、いうたら1個の小さな組織じゃないですか。それを思ったときに、これを大きくしていくのが仕事なんだなみたいなことを思って、30名でとまってたらまず大きくなるって無理だし、質みたいなところも…何だろう……変わらない凪って言うんですかね。機能的にスキルだけあげましょうというと、こう情緒的な繋がりが必要ないじゃないですか。それも思ったときに、それは自分の意図するところじゃないなって思って。

 

組織をガンガンでかくしましょうよという意思はないんだけど、でもやっぱり組織が大きくなっていく中で、じゃあどういう風に組織をつくってくのかとか、自律的な組織って言うんですかね。所属する人が、楽しく、生き生きと、仕事をして、会社を離れていく人も何かここにいられてよかったって離れていくし、新しくくる人は、ここで頑張りますっていって、一緒に辛いことも楽しいことも一緒にやっていって、何か何年かしたら、あれはあれで大変だったけどよかったねみたいなことを言って、終わっていくみたいな。

 

そういうこの循環の中に身をおきたいなって思ったときに、30名で止まってたらそれもできなくねみたいなことを思ったのはちょっとありますね。

今の話は、その組織とか、ネットワークとか、コミュニティの境界線をどこで捉えるかっていうのがひとつあるなと思いました。

僕はアクセンチュア出身なんですけど、アクセンチュアは、アクセンチュア自体は規模も大きくなって人数も増えてるんですけど、でも、今の社員数以上に退職者の方が多いんですよね。

今 ちょっと何人いるか、正確にはわからないんですけど、すごいざっくり感覚的にいうと、社員数が1万人いても、OBは2万人~3万人っていますみたいな。一時期アクセンチュアに3年勤めてましたとか、10年勤めてました、でも辞めましたって人の方が現職社員より圧倒的に多いときに、なんかアクセンチュアは、元アクセンチュアなんですというだけで話ができちゃう同窓会的コミュニティ感はあるんですよね。

退職者同士で、お互いに、何かビジネスやっている人たちもいたりとかするというアクセンチュア経済圏みたいなのが結構あったりします。だからそういうOBとかも、OBだからねみたいな広さで捉えることもできますし、アクセンチュアは1度辞めた人が出戻りするケースも多いんですが、そうではなくて、いやもう組織の中にいる人だけが仲間で出ていった人はもう仲間じゃないみたいな捉え方ももちろんできます。

コンサル業界でいうと、昔だと、例えばマッキンゼーみたいなところは、社員100名いたらずっと100名で、10年前も100名だし 今も100名でみたいに社員数は100名のままなんだけど、中身として、この10年で50名入れ替わってますねみたいなタイプの会社もコンサルティング会社っていうのは全然あったりするなぁと思います。

事業規模を拡大していく、会社として成長していきたいみたいなのがあるとすると、昔のマッキンゼーみたいなところにいると、1人あたり売上高を増やそうはあったと思うんですけど、社員数を増やそうは全然なかったので、そのへんもなんか、事業を成長させて、会社自体を大きくしていこうであれば、そのベクトルを持った組織にいた方がTさん自身も楽しいかなみたいなのはちょっと思いました。

会社によって本当に考え方はいろいろある。事業規模を拡大して、社員数が増えていくところを目指す会社もあれば、人数はほとんど変わらないけど、1人あたりの売上高を増やすことで売上は上げていこうと考える会社もある。人数を増やすことだけが会社の成長ではない。

自分がやりたいのかどのポジションかを探究する

確かに仰るとおりで、1人あたりのその単価を、あげていこうって明言はしていないですけど、けどそれがこの会社の売上だからみんなで頑張ってみたいなことは、確かに言っているのでその方向なんでしょうね、会社的に。

 

ってなったときに、なんか本当タレント事務所みたいな感じですよね。キムタクがいて、福山雅治がいてみたいな、まだ売り出し…売れ始めたばかりのやすこがいてみたいななんかそういう感じなんだろうな。確かに、そういう場で自分自身の価値をどんどん上げていくというのと、そうじゃなくて、全体で大きくしていくんだっていうので、どっちみたいなのかでいうと、確かに、それはどちらだろうなって今ちょっと思いましたね、まだ明確じゃないかも。

そうですよね なんか今、タレント事務所って仰ってたのはまさにですけど、吉本の芸人さんは、吉本を(会社として)大きくしようとはたいしてたぶん思ってないですよね。自分が売れようとか、自分がより楽しい仕事をしようとか、稼げるようになろうみたいな感じではないかなと思います。

そう思っているタレントさんを束ねている事務所としては、事務所の社長は吉本という事務所を大きくしようっていうのは思っているかもしれないですけど、所属しているタレントさんは、別に吉本を大きくしようというモチベーションはたいしてないかもしれないですよね。

なるほど。確かにそれはそうかもしれないです。

そうすると、 Tさん自身が自分はいちコンサルタント、いちタレントで、タレントとしてレベルアップしていけばいいのか。マネジメント側で事業を大きくしていきたいのか。というのは、1つ考えるポイントとしてあるかもしれませんね。

ちなみに私はそれでいうと、クライアントの事業成長にはある種 結構コミットしているんですけど、自分の事業成長には全然興味がないので、自分の会社規模とかは全然大きくならないタイプです。

Tさん自身が心が動く方向やポジションは、どこなのかみたいなのは、それはそれで問いかもしれないですね。

そうですね…確かに。なんかそれでいうと私は、まぁ事業を、何か組織としての価値をあげていく方に割と寄っている気がしないでもないですね。

  

何か別のコミュニティみたいなものにも参加はしているんですけど、そこもなんか…組織のそこも同じような感じで、人が減っちゃってて、私がいたときも、本当におんなじですね、私がいたとき20名後半だったのが、10名ちょいになってて、人を増やさなきゃねみたいな話をしてたりするんですけど、そのときも何か正直私はその場で何だろう、そこまで自分のスキルをあげていこうってあまり思ってなくて、1回辞めて、それこそアクセンチュアじゃないんですけど、1回辞めて戻ったんですよ、そこに。

 

それはやっぱ人が減って、このままだとここがなくなるのが嫌だっていうのがなんかあって、だから自分がつくったろうということではないんですけど、なんかここを、そこの場に、何か自分ができるなら何かしたいなで、戻ったところは一定あるので、私はどちらかというとそっちなのかなぁってふと思いました。

自分が活きるポジションは、いろいろあるなと思って、例えばそれこそアクセンチュアの先輩後輩同期とかみてても、本当にいろいろなその後のキャリアをみるわけなんですけど、コンサルティングファームに属しながらコンサルティングをしていますというようなことをやり続けている人もいますし、私もこっち派ですけど、ピンのコンサルの方が自分は向いているなって、会社に属さず(独立起業して)ピンになっているタイプもいます。

人事部長みたいなポジションが向いているなっていって、1つの会社にコミットして人事部長をやっていますみたいな人もいますし、自分はコンサルタントじゃないんだと、経営者だと事業を始めた人ももちろんいます。

そこはやっぱり本当に何が自分が取り組んでいて自然体でいられるかとか、無理がないかとか、毎日楽しめるかみたいなのはやっぱり違いはあるなっていうのは思いますね。

会社との距離感や今後のキャリアに悩んでいるときに

  • マネージャーは会社を大きくするのが仕事とは限らない
    会社によって目指すところは違う
    ⇒規模を大きくするもあれば、1人あたりの売上高をあげることの方が大事な会社もある
  • どんなポジションが自分にしっくりくるかを考える
    ⇒事業部長?人事部長?社長?コンサルタント?
    ⇒事業を成長させたいのか、組織や人の成長に関わりたいのか、自分のスキルを高めたいのか
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