人は三層でできている~思い込みと個性の違いとは?~

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今回の探究テーマ

自分が「これは善いことだ/これは悪いことだ」「これは正しい/これは間違っている」と判断しているものが、自分の偏った考え方からきているのか、自分自身の本当に大切にしたい価値観からきているものなのか判断に悩むことがあります。自分が思い込んでしまっているものと、自分の純粋な個性みたいなものの違いは、どうやって判別したらいいのでしょうか。

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人間の心の中をあらわした「人間の三層構造」とは?

ここでは、私が自己啓発の本とか成功哲学とか心理学とかいろいろな領域について、読んだりセミナーで学んだり実践してきた基本的な技術やスキルというところについてお伝えをしていきたいという風に思っています。基本的なところですので、実際にはいろいろな哲学とか技術とかいろんな流派があるんですけれども、私として最大公約数というか、どこの話でもこれは出てくるよねというものを集約したものを、お伝えできればなと思っています。

今回、まず最初にお話したいのは、いろいろ読んできた結果、人間はだいたいこういう構造になっているんだなというのをお伝えしたいと思います。

私の考えている人間の三層構造は、円上に層があり、

1番外側には、「思い込みの層」というのがあって、思い込みの層の内側に「個性の層」があって、1番真ん中のところに「愛の層」があると考えています。私が、いろいろな古今東西の心理学や成功哲学などをたくさん読んだり学んだりしてきて、今そういう風に解釈しているというところです。

それぞれの層についてお話をしていきたいと思います。

思い込みの層

ほとんどの人がこのある種の思い込みというのを持ちながら生きているわけで、私ももちろん持っているんですけど、その思い込みが1番外側の層です。例えば、「こうしなければならない」とか「こうするべきである」とか、「これが常識である」みたいな、そういった思い込みというのがあります。

思い込みを抱くこと自体は問題ありませんが、その度合いが強いと苦しい場合があります。例えば、「上司はこうあるべきだ」という強い思い込みがあると、そうでない上司と仕事をする際に非常に苦しくなることがあります。

他にも、「社会はこうあるべき」「恋人やパートナーはこうあるべき、こうあってほしい」など、さまざまな思い込みが存在します。思い込みは、ある意見に対して、「普通そうでしょう?」「他にありえますか?」といった反応が出てくるところが特徴です。

この思い込みの対象は多岐にわたりますが、突き詰めていくと「人間関係」「お金」に出てくることが多いと考えています。「上の者はこうすべき」「下の者はこうすべき」「友人はこうあるべき」「家族はこうあるべき」といった人間関係に関するもの、あるいはお金、仕事、時間などに関するものです。「お金とはこういうものだ」という思い込みがあるがゆえに、生きづらさを感じたり、物事がうまくいきにくくなったりすることは珍しくありません。また、この思い込みは、生まれ育った環境、特に幼少期からの経験から生じていることが多いです。

私は現在「思い込み」と称していますが、これはビリーフ(信念)、メンタルブロック、インナーチャイルド、トラウマなど、さまざまな表現で語られる概念をごちゃっとまとめて表現しています。実践的には、「思い込みが存在し、それに囚われると物事がうまくいかない場合があるんだな」という風に思っていただければと思います。

個性の層

思い込みが解消されると、次に「個性」というものが存在します。

まず、思い込みと個性の違いについてお話ししたいと思いますが、個性はその人固有のものであり、例えば「スローペースが好きだ」「チームで動く方が楽しい」といったものから、単純に食べ物の好み「甘いものが好き」「辛いものが好き」までさまざまです。また「こういう人と波長が合う」といった人間の好みも個性の一つです。

この好み、すなわち個性と、思い込みの違いを判別するのは結構難しいかもしれません。自分にとって「善い/悪い」と判断しているものが、思い込みの層からきているのか、個性の層からきているのか、判断に迷うこともあると思います。しかし、私自身は、人と話す中で、それが思い込みに囚われた判断なのか、あるいはその人の個性からくるものなのか、ある程度判別可能だなと考えています。

どうやって判断しているかというと、思い込みの層の場合、「Aが良い」「Aをすべきだ」「これが常識だ」といった思い込みがあった場合、そうではない選択肢に対して非常に否定的、攻撃的、あるいは排除的であるという特徴があります。「そんなことは絶対にダメだ」「許せない」「間違っている」「正すべきだ」といった攻撃的な反応が見られるのが、思い込みの層の特徴です。

一方、個性の層からきている場合は、「私はそれが好きだが、そうでない人もいるだろう」と捉えられるという点が、特徴です。「そうでない人もいる」とおいておけない場合は、これは思い込みなのかもしれないという風に考えてみるといいと思います。

例えば、「私はのんびり過ごすのが好きだ」という人がいたとします。その人が「でも、スピーディーに動くのが好きな人もいるよね。私はそういう人とずっと一緒にいると疲れてしまうから、のんびり派だけど、スピーディーに動く人たちもそれはそれであっていいよね」と言えている場合、この人は自分のスローな個性を大切にできている状態だと言えます。

これが思い込みである場合、「本当はスローであるべきなのに、皆スピードスピードと言っている。スピードを重視する人はダメだ、分かっていない。大切なのはもっとゆっくりすることなのだ」というように話されると、この人はゆっくりとスピーディーというテーマに関して、何らかの傷や苦痛を抱えており、怒りや傷つきから思い込みに囚われているのだろうと推察されます。

もしかすると思い込みを超えると、「スピーディーな人もいていいし、私はやはりスローな方が好きだ」となるかもしれません。あるいは、一度乗り越えてみたら、実は自分はスピーディーな方が好きで、傷ついて混乱していただけだったと気づくケースもあります。

これは、じっくりと内省し、自己を探求し、自分の中を整理していくと、思い込みが自然と「ああ、そうか」と落ち着くタイミングが訪れます。「自分の個性はこうなんだな」「人の個性は異なるものがあるし、そういう人もいるんだな」という状態に至るのです。

この個性の層で生きていると何がいいかというと、楽に自然に生きられるということです。自分の個性を尊重し、相手の個性も尊重する。このような考え方で過ごせていたら、多くの人にとって生きやすい状態だと思います。一方、「絶対にこうあるべきだ。そうでない人がいると許せない。全て間違っているから攻撃しに行かねば」といった考え方で生きていると、世の中には多様な人が存在するため、間違っていることだらけになり、攻撃的な気持ちや否定的な気持ちの連続で疲弊してしまいます。

思い込みが多いほど疲れますし、思い込みを解き放ち、個性を大切にして生きられるようになると、楽で自然に生きることができ、豊かな生活を送りやすくなると思います。

愛の層

3層構造の最後である「愛の層」についても触れておきたいと存じますが、はじめに、私はこれを「愛」と表現することが自分にとってしっくりくるため、このように呼称しております。しかし、この呼称も人によって異なるかもしれません。思い込みの層をメンタルブロックやトラウマと呼ぶように、ここで表したいことについても、世の中で既に表現方法が存在していると思います。

愛の層のコアの部分は、例えば伝統的な仏教であれば、慈悲心や仏心と称されるかもしれませんし、宗教によって表現は異なります。他の成功哲学の流派では、誠実さといった表現がなされるかもしれません。それでいうと私は、人間の最も根源的なコアにあるものが「愛」であると認識しております。

かなり説明を省略してしまうのが、この愛の層で生きるという状態は、正直なところ、それほど目指す必要がないと考えております。個性を十分に発揮して生きられれば、それで十分だと私は思います。

「自分は愛そのものなんだな」といった感覚や意識に至ることはあり得ます。一般的に、瞑想などを深く実践した際に、「自分は愛そのものだ」という経験をしたことのある人は世の中に多くいらっしゃいます。そのような方の話を聞くと、確かにそのような状態が人間には存在し得るのだと感じます。

しかし、根本的に自分が愛そのものであるという状態になると、いわゆる自我や個性といったものも希薄になるため、究極的には「私が何者なのかよくわからない」という世界であると私は捉えています。そして、「私が何者なのかよくわからない」という状態が、生きやすいのか、幸せなのかと問われれば、これはまた難しい問題であると考えています。このような状態が存在するということは知っておいても良いと思いますが、特に目指すべきものでもないというのが、今の私の個人的な見解です。

では、私自身がこの愛の層をどのように捉えているかについてですが、自分のコアには愛の層が存在すると思っているので、他の人間のコアにも、愛の層が存在すると考えております。そして、人間は愛し愛されたいという本質的な欲求を持っており、それをいかに上手に発揮し、実際の生活で実践していくかという部分は、個性の層に委ねられているという風に今はkんがえて今す。

できるだけ、自分の原動力が思い込みの反応や世の中に対するリアクションといったものからくるのではなく、愛という根源からきている、愛から自分が活動しているのだという感覚を個人的には大切にしております。この点についても、より詳しくお話しする機会があるかもしれませんが、ひとまず愛の層については以上の通りです。

本日お話ししたかったのは、人間は「思い込み」「個性」「愛」という3層構造で成り立っているということです。思い込みをできるだけ解き放ち、自分の個性をしっかりと大切にして生きられるようになると、非常に楽に生きられ、物事がスムーズに進み、自然と豊かな生活を送りやすくなるでしょう。より具体的な内容については次回以降お話しできればと存じますが、まずはベースとなる3層構造という概念を共有させていただければ幸いです。

今回は、人間を三層構造で捉え、自然と豊かな人生になるヒントを解説

  • 思い込みの特徴は、ある考え方や価値観に対して「普通そうでしょう?」「他にありえますか?」といった反応が出てくることで、思い込みが強いと人生が苦しくなったり、疲弊感を感じることが多くなる可能性がある
  • 思い込みの層を外して個性の層で生きられると人生は自然体で楽で豊かになっていく
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