動画で見る
記事で読む
暴言を言ってきた相手はどんな状況のどんな人だったのでしょうか?
子どもの習い事関係で、保護者の1人から過剰なクレームや暴言を言われ、その後、謝罪もないまま何事もなかったかのように接してくる相手にもやもやしてるという、いったんFさんの状態とか気持ちをお聞きしました。
今度、このクレームを言ってこられたあっち側(相手の保護者側)の気持ちや感情は、想像できる範囲で全然構わないんですけど、どういう感情状態なんだろうなと思いますか?
ああ…そこのあたりも、ちょっと考えたんですけど、表面上は和解したタイミングのときに、奥さんの方が、いや実はうちの娘、いじめられててみたいに言ってきて、で、それで、あのなんていうか、気が立ってたんだと思いますみたいなことは言ってたんですね。
なので、まぁピリピリしてたのかなと、特に当時。今もいじめが続いているかわからないですけど、当時はピリピリしてたんだろうなはやっぱりわかるんですけど、いや、それで攻撃の矛先がこちらにくるのは違うやろという。そういうのもあり、その相手の子ども本人は、嫌だと思いながらいいよって言っちゃう子らしくて、うちの子、自分の嫌なことを嫌って言えないんですよとかということもなんか、表面上和解したときには言ってたんですよね。
僕からすると、親がそんな威圧的なコミュニケーションとってたら、子どもも言いたいこと言えなくなるだろという感情もやっぱりあり、まぁ理解はできるんですけど、まぁ家庭内で、子どもに対しても威圧的なコミュニケーションとってるんだろうなとか。あとはまぁちょっと、心理学的な知識とかそういうことで考えると、まぁそのお父さんやお母さんも、そういう辛い家庭の中で育ってきたんだろうなとか、もしかしたら仕事が上手くいってないとか、そういうのもあるかもしれないですよね。
たぶん仕事上でもそういうコミュニケーションをたぶん取ってらっしゃると思うので、そうすると当然まぁうちも一緒なんですけど、辛い状況であるにも関わらず、周りから救いの手は差し伸べられてないんだろうなとか、そういうことはちょっと頭では、理解しているつもりなんですけど、かといって、うちはうちで、相手の暴言により、家族を傷つけられてるので、なんかそこに寄り添えないという気持ちがありますね。だからって、うちを攻撃する理由にならないよなとか、そういうこともちょっと同時に感じてしまうのであんまりこう同情…辛い状況なのは、頭では理解できるけど、心の底から同情できるってレベルにはまだいっていない感じですね。
なるほど。全然同情する必要もないですし、ある種 頭での想像だけで全然構わないんですけど、たぶん辛い感情がどうだという想像でいうと辛いんだろうなって感じですかね。
たぶん辛いんだと思いますよ。
まぁ辛いからといって、何してもいいわけじゃもちろんないですけど、たぶんこのご両親、結構辛い状況なんだろうな。仕事とか子どもの状況とか、いろいろわからないけど、辛いんだろうなみたいな感じですね。
そうですね。
客観的な立場からいったん考えてみる
では、ちょっとここから一般論として話します。いきなり取っ払うの難しいと思うんですけど、Fさんが今 置かれている、具体的なシチュエーションを取っ払って、一般的にいってで考えてみたいと思います。
例えばFさんのところに、「辛い状況で、自分が辛いから周りに当たっちゃうとか、上手く関係性を築けない辛い人と、和解するなり、いい関係性を築くなり、しようと思ったらどうしたらいいですか」と人から相談があったら、Fさんはなんて答えますか。
相談にきた人が、その状況ってことですね。僕と同じ状況ってことですね。
そうです。
えっと、合宿※行く前の僕だったら、いや、ちゃう、そんなの面倒くさいから、距離取った方がいいよって言ってると思うんですよ。
※2024年のDialogue Space主催の対話合宿に、Fさんにはご参加いただき、そこでもいろいろ話しました
まぁ世の中いろいろ、まぁYouTubeとかTwitterとかでもそうなんですけど、ちゃんと自分のことを大切にしてくれる人を大切にしなさいとか、自分を傷つける人とは距離を置きなさいみたいな言葉って、今の世の中溢れかえっていると思うんですけど、結構僕は合宿に行く前までは本当にそのとおりで、なのであの…距離を置けばいいんじゃないかって僕だったら言っている。
当時の僕だったら言っていると思うんですけど、Dialogue Spaceの合宿にいって、なんかまぁなんていうのかな、ちょっと具体的になんて言われたか覚えてないんですけど、嫌いな人とは避けていく、避けていきたいという人生なんですかみたいなことを石川さんから問われたと思うんですけど、うーん、いや、それはそうなん、いや確かに避けていきたいなという気持ちもある一方、もう逃げ続けるのもしんどいなっていう思いもあの後出てきて。
で、単純にちゃんと和解ができるのであれば、和解してもいい。あ、違う、(今 石川に聞かれた問いとしては)アドバイスだ、アドバイスするんだった。アドバイスする立場だったら、その相手の、その人の状況にもよりますけど、その人がちゃんとコミュニケーションを取れる状況なのであれば、丁寧にコミュニケーション取ってみてもいいんじゃないかみたいなことは、今なら言えるかなみたいな感じですね。
ちなみに、合宿でFさんに言った言葉を私も覚えているんですけど、合宿で話したのは、「思い通りにしたい」というキーワードの話をしていて、思い通りにならなかったら、あなた嫌いというパターンを持っている。でも、思い通りにならない人の方が多いから、そうするとどんどんどんどん嫌いな人が増えていく。そういう人生でいいんですかみたいなことを話しました。
そうです、そうですね。
という記憶なんですけど、まぁそれはそれで、今回のFさんの状況やシチュエーションだったら、距離を置いたらいいんじゃないですかというのを、それはそれで思うんです。
あ、そうですか。
もしも本当に和解するためにコミュニケーションするとしたら
もし本当にちゃんとさっき出ていた言葉でいうと和解をするとか、理解しあうとか、もしくはちゃんと心から謝ってもらえるとか、ということを、今回のケースでしようとすると、私は結構踏み込んだコミュニケーションがいると思うんですね。これは結構大変そうだなと正直思うので、そこまで大変なことをしたい相手なんですかというのはあります。
実際にそうするかどうかはいったん保留しておいて、もし本当に和解するためにやっていくとしたらを考えてみましょう。それをやっていくとしたら、私だったら、実際に喋るときはたぶん言い方も変わるんですけど、言おうとすることは、「前もそのクレームがあって、ちょっと我々(Fさん夫婦)としては、出来事に対してちょっと過剰な反応かなと思ったりしたのもあるんですけど、逆になんかそれくらい、例えばいじめの話は聞きましたけど、なんかストレスを抱えていらっしゃったりとか、わかってもらえないとか、しんどい思いを、失礼ながらもしかしたら持ってらっしゃるのかなと思ったりしたんですけどいかがですか」みたいなことです。
それを伝えたら、場合によっては、馬鹿にしないでくださいって言われるかもしれないですし、聞いてもらえますかみたいになられるかもしれないんですけど、まぁみたいな感じの話を例えばしたとします。
最終的にこちらがいかに正しい対処をし、あなたたちが謝るべきような行動をとってきたかということをわかる余裕が生まれるために、相手が余裕が出てこなきゃいけないので、相手の大変さをいったん引き受けて、サポートしていくという覚悟で関わる感じになるんですよ。私がイメージできる方向だと。
なるほどー!
あくまで私だと、ですよ。余裕のない人にその状況で心からの謝罪を求めるのは難しいと私は思っているんです。
「しんどい状況だったりするんですか」と声をかけたら、そこで仮に泣き崩れたパターンだとしましょう。そちらのパターンの方が話は早いので。そして、「そうなんですよ、実はすごい大変で…」みたいな話が始まり、Fさんの予想どおり、旦那さんのお仕事もなかなか大変で、ご夫婦の仲もなかなか大変でとか、子どものことでも悩んでいて、という話が出てきた。「はぁ…それは大変ですわ」と。
そんだけ大変だったらちょっとガチャガチャされて※、もう文句の捌け口探していたから言いたいとなったのもわかります、と。
※トラブルの原因は習い事中の「音がうるさかった」というような雑音関係
そうしたら、あなたたちからも、ごめんなさいと言ってほしかったけど、それがごめんなさいなんて出てこないのがよくわかりました。自分が、もしそれだけ追い詰められていたら、ごめんなさいなんてとてもじゃないけど言っている余裕ないです。っていうくらい相手を理解して、とところに至ったときに、相手も、「受け入れてもらえた、わかってもらえた」と余裕が出てきて、「いやでもほんとすみません。あんなガチャガチャくらいで、あんなに言い立てて、私たちの方が余裕なくて申し訳ありませんでした」みたいなコミュニケーションが起こるなというイメージなんです。
なるほどー!むずいな。レベル高すぎるな。
余裕のない人にその状況で心からの謝罪を求めるのは難しい
で、そこまでやらなきゃいけないんですかという話はやっぱりあるんです。あえて言いますけど、生徒さんたちがいっぱいいらっしゃる中で、その相手はいち保護者にすぎないですから。でも、本当にちゃんとごめんなさいが出てくるためには、あえて言いますけど、たぶんそれくらいサポートしてあげないと、ごめんなさいが言う余裕がない。
人に感謝と謝罪をできる人は、ある種 余裕がある人なんですよ。余裕がない人は、ありがとうもごめんなさいも非常に言い辛い。むしろ助けてくればっかりだし、何で助けてくれないだって文句ばっかりだしで、余裕のない人たちってそうなってくるわけですけど、その人たちにちゃんと謝ってもらうとか、ちゃんと感謝してもらおうと思ったら、一旦その人たちが余裕のある状態に、自分がコミットしてもっていくしか、自分としてできることはないというのが、私が思うところです。
なんかそれ聞いてどうですか。
なるほどなぁ。あぁ……いや、えっと、結構僕の中では、ああ、じゃあちょっとまず感情の話をすると、1つは、まぁこの2日間合宿のことを思い出してたんで、この人ともちゃんと話さないといけないんだって思っていました、まず。なので、今 ちょっとホッとしてます。
- 「相手と丁寧に話す」or「距離を取る」という選択肢があるとき、今回のケースでいうと「距離を取る」でもいいのではないか
- 相手がせめてちゃんと謝ってくれたら…という気持ちはわかるが余裕のない人が心からの謝罪をするのは難しい
⇒自分ができることとしては、余裕が生まれるようサポートしてあげるとなるけど、とても大変だし、そこまでしたい相手か?という話もある