このまま部長クラスを目指したいのか?自分のキャリア・モチベーションを探究する

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今回の探究テーマ:営業職 マネージャー 30代 男性 Mさん

私の勤め先は、大企業ですが、社風として社員1人1人の起業家精神を大事にしていて実際に独立していく人も多い会社です。前回もいろいろお話させていただきましたが、この会社で自分は本当に部長クラスを目指して頑張りたいのか、今後の自分のキャリアやモチベーションについて、もう少し探究・整理できたらいいなと思っています。

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自分にとって幸せとは?人生トータルで大事にしたいことは?

Mさんの勤める会社は社員1人1人の起業家精神を大事にしているような風土の企業ですよね。

本当におっしゃる通りです。なんかそれこそ、中途で入って入社して、マネージャーになって最初の何年かは、結構そういうマインドで働いてきたつもりではありました。けど、年齢なのか、家族が増えたからなのか、ちょっと分かりませんが、なんか、そこが……まあ守りに入りつつ、手の抜き方もやっぱり分かってくるじゃないですか。なので、そういうのもあって、うーん、ひょうひょうと、(やろうと思えば)できてしまうんですけど。

なんて言うんですかね、元々僕がいた部署は単一の事業で、今たぶん、数千人いるんです。その中でやっていたからか、全然こういうことは、気づかなかったんですけど、今いる僕のチームは、もう本当に10数人の組織になっていまして。で、僕の上司になる人も、社歴で言うと僕より全然短い、コンサルからきましたみたいな方です。その上司は、それこそちゃんと事業にコミットしてる感は、僕が見たら感じるので、なんか、(今まで一緒に仕事してきた人とは)違うなと思うんですよね、一緒に喋っていて、覚悟感とか。っていうので、一緒に働いて、喋れば喋るほど、なんか「(自分)だせえな」っていう瞬間は増えているなと、なんだかここ1~2年は感じています。

という中で、先日、上司から(部長になりたいならもっと変化対応力が必要だよと)フィードバックをいただいたりとか、今日こうやって石川さんからいろいろお話聞いていることとかも含めて、なんて言うんですかね……35年の積み重ねが出てきているなということと。でも一方で、これ、ちょっとなんとかしないと、ずっとこのままいきそうな気もしますので、あの会社でやっていく上では、そこは社員の1人としてじしゃの大事なカルチャーを守るというのもそうですし、やらないといけないなという感じが、うーん、覚悟感というか、なんか何かを変えなきゃっていう気持ちに、ちょっと今、なってきています。

あとは、変えるために何をするかが、もう一段ありますが、なんか気持ち的には、この場で話す前よりは、そこの変化感……変化感というか、「変えなきゃ感」は、なんか醸成されたかなっていう感覚はあります。

家族ができて守りに入っているというのは、全然変なことではないです。

私がアクセンチュア時代にお世話になった先輩が、結婚のタイミングだったか、子どもができたタイミングだったかで、アクセンチュア辞めて、製造業に転職しました。製造業に転職したのは、アクセンチュアは結構残業なども普通にある会社だったときに、わかりやすく18時に提示で帰れますという会社に入ったわけです。それは、「俺は家族を大事にしたいから」という理由でした。「アクセンチュアでもいっぱい鍛えてもらいましたし、感謝しているけど、でも、製造業にいく」と。

もうその方とはそれ以来お会いしてはいませんけど、すごい幸せそうに生きているわけです。で、それは別に何にも間違っていませんし、ひとりひとり自分の選んだ生き方ですから。それはそれでいいじゃないですか。素晴らしいことじゃないですか。

だって、家族を大事にして、それも含めて仕事を選んで、トータルで自分の人生を大事にしていくのはとても素晴らしいと思いますから。Mさんがそれを選んだって、私は別にいいと思います。それこそ今、他の会社に移ってとかだって全然いいと思いますけど。

でも、「自分このままだと、だせえな」という表現がMさんの中から出てくるんだったら、今の会社残って頑張ってみる価値があるかもしれないですねというのも思います。

その「だせえな」っていうのがあるんだったら、残る価値があるのかもっていうのは、もう一段、どういうことなのかを聞かせてもらえますか?

その会社のDNA、先輩たち、今の上司とかが、覚悟を持ってやっていて、「自分は覚悟が足りなかったんだな」と思って、自分に対して「だせえな」って思っているんですよね。 「だせえな」と思うってことは、「覚悟を決めてやってる人たちみたいになりたい」と思ってるから、「だせえな」っていう表現が出てくるはずです。

そうじゃなかったら、「あ、あの人たちは別の人種ですね」とか、「僕はなりたくないですね」とか、「あんなことやって、なんか家族犠牲にしてて、かっこ悪くないですか」とか、いくらでも違う捉え方もあるわけです。でも、「今の俺、だせえなとてことは、そうじゃない、覚悟を持ってやっている人っちになりたいのではないでしょうか?

ああ、いや、でも、本当そうですね。なんかマネージャーになりたてのときに、まぁ今の僕みたいな状態な先輩を、結構見てきたので。しかも、そういう人たちを見て、「だせえな」って思ってきたんですけど、まさかそっち側にいくとはなというのと。まだそれを良しとは思えない気持ちが自分にはありますので。そうですね、確かに。そっち側に近づきたいみたいなのは、根源的にあるかもしれません。

自分もこうなりたいと思える存在が近くにいるありがたさ

「もうちょっとヒントが欲しい」みたいに言っていたところに対して、もう少し話してみると、Mさんのキャラや個性、才能とか含めていうと、本当に最初の第一歩みたいな感じですけど、今いる自分のチームメンバー、部下みたいな人たちの中で、「やっぱ、この人を引き上げてやりたいな」とか、「この人から尊敬され続ける存在でありたいな」みたいなことは、Mさんにとってはモチベーションになるような気がします。

確かに、今そういうメンバーが何人かいますね。うん。何人かいて、なんかうまく付き合ってるつもりではいるんですけど。なんて言うんですか、その「うまく付き合ってる」って表現に、全て出ているのですが、すごくプラスになるような関わり方ができてるかと言われますと、うーん、ちょっとそれはできてないかもしれないなというのが、今、ハッとした感じですかね。ちょっと片手でうまく回しています。で、経験の差でなんとか、ごまかしごまかしやっているなという感じかもしれません。

かっこいいで言いますと、私も本当に、かっこいいと思った人たちが何人かいるんですけど、かっこいいなと思って、「うわ、でも、今の自分じゃ、あれになれない。だけど、近づきたい、かっこいいから。だから頑張る」みたいな存在が近くにいるって、すっごいありがたいことじゃないですか。

で、私も、その憧れの人たちに引き寄せられて頑張ってきたから、私もやっぱり、私より、1つわかりやすく言うと、年下の人たちに対して、そうでありたいなと思います。社員、上司、部下以外にも、いろいろな接し方があると思ってるので、私はほぼ1人社長で部下や後輩はいないんですけど、自分より年下の人で、私と関わりがある人に、「かっこういいな、目指したいな」と思われる存在でありたいというのはあります。

石川さんでもあるんですね。それだけ社会人経験積まれても。いや、でも、確かに沿憧れる存在が近くにいるって、貴重かもしれませんね。なんかスキルを、尊敬するみたいな人たちは、これまでも何人かいたんですけど。今の上司の方は、たぶん社内的にすごい大変なはずです。2~3ヶ月に一言ぐらい、ポロって、言葉では、こう辛そうな一言を出すんですけど、でもその中でも、ちゃんとしっかりやっていくぞっていうのと。

(事業が厳しい中で)実態のパフォーマンスと社内評価が、(さらに上から)守られてるという意味で、やっぱりズレてる感じがしますので。そこも含めて、すごく裏でやってくれてるんだろうなと思います。で、それはあんまり、表立って言わないみたいなところとか、それをちゃんと、しっかり実行して持ち帰れるとか、そうですね、確かに、そういう、そう思える人がいるのは、貴重かもしれませんね。

その上司の方、めちゃくちゃかっこいいと思います。

その上司は最初は寡黙で何を考えてるのか全然わかんないな、この人、みたいな感じでした。うちの会社って、割とこう、パッションみたいな人が多かったりする中で言うと、「あ、コンサルってこういう人なんだろうな」というのを絵に描いたような人がきて、とっかかりづらかったんですけど。2~3年、一緒に仕事をやっていったときに、なんかいろいろ気づきがあって。そう、そうですね。なんか「すげえ」っていうのと、ちょっとさすがに、ここまでに追いつくのは時間かかりますし、部長になったとしても、この人の後釜は、絶対無理だなっていうのは、どこか思ってしまっていますかね。

自分よりも優秀な先輩・すごい上司はいくらでもいるけど…

私とMさんの出会いは、私が起業して始めた就活塾に、就活生としてMさんがいらっしゃったときだったわけですけど、就活塾を私がやっていたとき、正直私より優秀な人はいっぱいいました。私も当時若かったのもあって、自分の先輩たちも含めたら、ゴロゴロいるような状況でした。

だけど、就活塾という生業を選んで、学生たちに接してるのは、私しかいなかったわけです。私より優秀な人たちはたくさんいましたけど、でも、Mさんも含めて、なんだろう、自分で言うとあれなんですけど、石川と会えて良かったみたいに思ってもらえたとしたら、やっぱりそれは、すごいやる価値があったなと思います。

だって、じゃあ、他の人が、いろんな意味で石川と同じことをできたかといったら、できていないというか、就活生と直接会う、一緒に過ごすみたいなことを、実際やっていません。だってもう忙しいですし、優秀な人たちは、つまり仕事で売れっ子ですからね、みんな、できないわけじゃないですか。

で、当時の私からしたら、もうその優秀な先輩方を知っているからこそ余計に、自分は未熟の未熟でしかありませんでしたが、だけど、私は精一杯、学生たちに向き合ったんですよね。先輩への敬意とかもある中で、でも逆に誇りもありまして。「でも、このポジションは自分しかやってないよ」って。「この人たちと、この学生たちと付き合ってるのは自分だよ」って、それはすごい思いながら仕事していました。

なんか、懐かしいな。懐かしいです。そうですね。ちょっとだけ脱線すると、学生のときは、石川さんの就活塾に通うの、金額感とか、例えば学生にしたら、それなりにしたじゃないですか。でも、社会人になって、あれだけ労働集約的なことを、あの価格でやって、夜中にエントリーシートを返信するとかもされていて。もうあれは、正気の沙汰じゃないなって、今になって、あの、すごくよく思います。

あのときは昼夜問わず全力でやりすぎていて、時給はやばかったです。

いやあ、でも、そうですよね。なので、投資って言うと、ちょっとこうドライな表現ですけど、就活塾の時間は、すごいいい時間になったな、と振り返って思います。僕は今、社会人12~13年目とかなのですが、あの時間があるかないかで、どういう選択をするかとか、自分のキャリアについて、どうやって捉えていくかとかというのは全然変わったなという感じです。振り返ると、すごく、なんて言うんですかね、あの、リターンが高かったなというのが、思うところです。

ちょっと脱線してしまいましたけど、誇りを持って、仕事をこうできるような状態とかっていうのが、あんまりできていなかったなというのも、ちょっと今、その単語を聞いて思いました。(今やっている新規事業は)基本お客さんから、すごいお叱りを受け続けているサービスなんです。で、「なんでこんなに改悪したの、もう使ってないよ」みたいなことを普通に面と向かって言われたりします。その中で、あんまり、仕事に対して誇りとか、プライドを持てていなかったなというのは、さっきの話を聞いて思いました。

一方で、使ってくださってるお客さんもいますし、社内的に向き合って頑張ってくれてる人もいる中で、そういう姿勢でやるのは失礼かもしれないなと、ちょっと今、喋っていて思ったところですかね。仮にも一応、管理職で、メンバーを持ってやっている中で、そういうのも含めて、やっぱりどこかで(パフォーマンスに)出てるから、そういうフィードバックだったのだろうなと、思いました。そこまで、自分にしか、できないことっていう、誇りを持った感じには、現状、捉えられてはいませんでした。そういう観点で見ていませんでした、自分の仕事を。

でもなんか、今言ってくれた話をベースに、もう1回仕事に向き合ったら違う気がしますし、すごく分かりやすく、たぶん自分より下のメンバーたちに対する向き合い方とかアクションとか変わるんじゃないかなと思います。それが変わったときにMさんが感じるやりがいとか誇りとかも変わる気がします。

さっき「ヒントがほしい」「具体的にどうしたらいいですか」みたいな話がありましたけど、実際の超具体的な話は、メンバーも知りませんし、どうしたらいいか分かりませんけど、ここまで話してきて、だいぶ何かとっかかりは見えそうな気がしましたが、どうでしょうか。

うーん、そうですね。今日、この話を振り返って、自分で文字かなにかに起こそうと思っています。なんか根拠はないですけど、何かしら前に進む感じがします。

自分のキャリア・モチベーションの源泉を探究する

  • 人生・キャリアの選択というところでいうと、大企業の中で部長クラスを目指す働き方もあれば、自分にとってのワークライフバランスを大事にしたポジションで頑張ること、どちらも間違っていない
  • でももし自分に対して「こういう自分はダサいな」、先輩や上司をみて「あの人本当にすごいな」「自分はああはなりたくないんだよな」があるなら、恐らく「本当はこうなりたい自分」がいるはず⇒そこがモチベーションの源泉かもしれません
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