【大企業の異動の悩み】安定した事業から全然整っていない新規事業のマネージャーになって、今後の自分のキャリアに悩んでいます

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今回の探究テーマ:営業職 マネージャー 30代 男性 Mさん

大企業に勤めており、会社全体としては順調です。以前は、自社の中でも柱となっているような売上も好調な事業を担当する部署にいました。そこから異動になり、以前の部署ほど全然整っていない、かつビジネス的になかなか厳しい状況の新規事業領域の部のマネージャーをしています。

今の部署では、次の期末で数字がいかなかったら今後投資しないと言われています。これから管理職としてどうマネジメントしていくか、自分のキャリアとしてはどうしていきたいのか、悩んでいます。

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会社を船に例えて考えてみると…

前回までいろいろと会社の状況について話してきましたが、フォーカスをMさんだけにすると、Mさんとしてはどういう管理職でありたいかは、1度考えてみてもいいのかなと思います。

今 私は、実際にベンチャー企業さんを支援していますし、また、支援している他の知人たちの話を聞いていると、やっぱりベンチャー企業なんて、会社を船に例えるなら、ぼろ船なんですよね。

ぼろ船だけど、行きたいと言っている目的地が魅力的過ぎて、ぼろ船なんか気にならないです。一緒に行きたいですという人たちが集まって乗ってくる。もしくは、結局 船長の魅力があって、あなたと一緒に旅をしたいんですと集まってくる。そして、船を強化しつつ、漕ぐみたいなのをやってたり、やっぱりするんですよね。

一方、豪華客船で、ちゃんとクーラーのきいた船室で、基本的には船は壊れないはずだし前提のところで、安心して漕ぎたいですというところに集まってきた人たちは、それにあわせたマネジメントに当然なっていきます。

そこは 本当に、自分がどういうドメインで仕事をしていきたいかとか、していくのかとか、今はどういう状況なのかとかもそれはそれであるとは思うんですけど、Mさんのキャリアってことを考えると、豪華客船を動かしていくという認知・イメージでやっていくの勿論ありだし、今のうちの部署はちょっと特攻隊みたいな、小船出してきますみたいなそういうのが得意な人になるっていうキャリアもあるかもしれません。

いろいろ考え方はあると思うんですけど、Mさん自身はどうありたいかというのは、1つあるかもしれないですね。

そこがまさに決められないことに…まぁ悩んでいるというか。決められない人なんだなっていうのをここ最近強く自覚をしたんですよね。

 

なので、割と自分自身もどういう船に乗っているかによって、なんかスタイルも変わりますし、なんか…こうしたいというのをその瞬間は思ったとしても、なんか貫けないというか、もっとこう変えた方がいんじゃないかと思って、すぐ変えちゃったりするので…なんかそこは、決められない、あまり貫けないみたいなのは、課題感が……自分自身に課題感を感じています。

大事なのはここにいることを「自分で選んでいる」という感覚

ちなみにさっきの数字がいかなかったら、もう投資かけないよって話は、投資をするといっているのは本体とか本社とかそんなイメージですか。

はい。すごい会ったこともないような上の人たちです。

なるほど…。ちょっと批判的に聞こえちゃうかもしれないかなと思いつつ喋りだすんですけど、いうて Mさん自身も、前は順調な事業をやっている部署にいて、立派になった豪華客船には慣れているというか、そこの安心感はあるんだろうと思うんですよね。

まぁ 今回のこの小さい船で乗り出した事業が、こけたとて、本体に戻って吸収されて、豪華客船の中でまた一部署を担当したりとか、一チームを担当したりとか、またちょっと小船もう1回出すことになったから乗ってこいと言われるみたいなこともあるかもしれないけど、大きく言うと、その豪華客船グループの中から出ることはないっていう感じなのかなと思います。

それって全然悪いことではなくて、その中でバランスとりながらやっていくとか、最大限できることをやっていくというのは、もちろん1つのキャリアなのでそれはそうだよねってところなのと、もちろん選択肢としては、極端な話、いやもう自分のやりたいようにやるんだって言って 出てって、1人で本当に小舟漕ぎだすみたいなのもあるかないかでいえば、あるとは思うんです。

1番極端なのは本当に起業しちゃうみたいな、そういうのも選択肢としてはもちろん世の中あるわけなんですけど、自分の中の納得感とかすっきり感とか、選んだ感みたいなのは大事かもしれないですね。

選んだ感というのは、仮に上手くいこうが上手くいかまいが、自分で選んだんだってところの納得感に繋がるという話ですか。

そうですね。

まだそこの、自分で能動的に選んだぞ感は、そこまで強くないかもしれないですね。

 

意味づけは徐々にできているかもしれないです。最初は無理やり、乗船させられた、ぼろ船に乗船させられたくらいの感じだったんですけど、自分で選んではないけど、この船に乗ったらこういう経験はできるかもしれない、いったん、大変だけど、みたいなのが現在地という感じだと思います、自分の中では。

大きな船に乗っていたら、小さい小船で新規事業部みたいなものにいくみたいなことも、上からの命令でいくわけだし、それは大きな船に乗っているという選択が前提にあるわけで出向とか異動だって当然ある世界ですよね。会社の方が人事異動の命令する権利を持っている構造なので。

まずそこを、そういう世界を自分で選んでいるという選んでいる感は必要だと思いますし、それが納得いかないっていうんだったら出ていけばいい話ではあるなと思います。別に転職して小さい会社に行くことだって、自分で独立して会社をつくったって、別に構わないわけです。

だったときに、ある程度の規模がある会社の中で異動命令が下るっていうことが当然ある世界だとすると、今 Mさんが言っていたその異動命令に意味を見出していく力はとても大事だと思います。

自分はいま、大企業に所属していて、それはつまり、小船行けみたいなことも、言われることがある前提の世界にいる。そうだとしたら、小船に行けと言われたときには、この小船の中で自分が最大限やることはなんだというモードになれることはすごく大事です。

世の中で、だってその大きな船に乗っている安心感があるから、この会社を選んでいるのだとしたら、異動せいと言われたら異動するのを受け入れるのはあたりまえのことです。

もし、俺は本当はあっちの部署の方がよかったのにと、あきらめきれなくて、異動先で頑張ろうと全然なれませんというのであれば、異動しようもない小さい会社にいったっていいんだし、自分で会社をつくったっていいわけです。

そうではなくて、大企業に所属するということを、その選択肢の中で選んでいるという感覚を忘れると、やらされているという感覚が生じてきちゃうんですけど、まず大前提選んでいるということはあるし、その中だと当然生じるものに対しては引き受け、自分なりに意味を見出していくということはすごく大事だと思います。

自分で選択した感覚を持ちながら現状を楽しむ

今 言われて思ったのが、今この異動先が…船がこんなにボロボロだっていうことが想定外ではあるんですけど、まぁそういう小船で出撃しろみたいな船に乗ったというのがあり、でっかい船に乗っているのが嫌だという話を過去の上司にしたのもあり、まぁそうですね、船がボロボロだったこと以外は自分で選んだことかなっていうのは、今 言われてハッとしました。

 
ですし……今の船は別に気に入っているわけじゃないんですけど、元々いたすごい大きい船に、ずっと乗っていたかったかと言われるとそうではなく、自分で相談して乗せてもらったっていう振り返ってみるとあるので、なんかぼろ船…ぼろ船なんて希望していないみたいな理由で、なんかいろいろ不満に思っていましたけど、引いて観たら、自分で選んでいるなっていうのは仰るとおりだなという感じですね。

そうなんですよね。

ちなみにあのベンチャー企業に就職したみたいな人たちも、すごいなんか理念とか 目指している方向とか賛同して入ったけど、あまりに給与水準が低すぎるとか、あまりに労働時間が長すぎるとか、あまりに社長がワンマンすぎるとかで、やっぱりちゃんとした会社に入ろうとなる人もいます。いやもう、やっぱり自分でやるしかないんだってなる人もいます。

それは、1人1人に選択肢はあって、自分は選んでいるという感覚を持っているということは 本当に大事だろうなぁと思います。

それを持った上で、すごいぐっと話を戻すと、今Mさんは結構きついエンジンの船に乗っていて、全然進まないわけだけど、上は手漕ぎで加速せいとか言っているときに、なるほど、こういうビジネスもあるのね。このゲームのクリアの仕方はどうするんだっけ?みたいな、そういう楽しみ方みたいな、それは1つある気はします。

でも ぶっちゃけ、どう聞こえるかはあれなんですけど、それこそでも本体の船(安定した事業)はあるわけだし、これ…なんか沈みましたっていったら、救い上げられてもう1回やれると思ったら、限界までとにかく自分なりにやってみるかみたいなのもあるかもしれません。

もうこの船の船長、僕にやらせてくださいくらいの感じで、1回やりきってみるかとか。それで上手くいったらめっけもんだし、まぁ 上手くいかなくても、セーフティネットはあるので。

ちなみに私は独立して自分で好きにやってますけど、セーフティネットはあると自分は思っていて、だから好き勝手やっているというのはあるんですよね。それはちょっとほんとに余談ですけど、そんな風に思うかな。ここまで話してみてあらためてどうですか。

何か今のセーフティネットの話は確かに、と思って。なんか別に、失敗しようが、まぁ救い上げられるのは確実だなっていう。

 

すごい渦中にいたので、そんなこと考える余裕なかったですけど、引いてみたら、そうですね、船が大破したら、引き上げにきて、また元の大きい船に乗せられるんだろうなって思ったんで。で、どうせ浸水しているし、まぁ気合入れて漕ぐかっていう気持ちにはなったという感じですね。

1番根本的なところで、自分のキャリアを自分で選択している感覚が非常に大事

  • 例え異動などが思いどおりにならなくても、そういう構造を持った大企業で働くことを選んでいるのは自分自身
  • Mさんの場合は、会社全体としては順調な大企業
    ⇒今の部署の事業が仮に失敗しても、自社で他の部署に救い上げてもらえる環境
    ⇒そのセーフティネットはある中で、今できることに精一杯挑戦して楽しむというのも捉え方の1つ
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