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かかった時間ベースでお仕事をいただいている会社があって…

石川さん、質問があります。
はい、どうぞ。

あの、仮に時間で契約していた場合、例えば、自分の能力が上がっていくと、作業の時間も、もちろん少なくなるじゃないですか。前回の話みたいに。で、時間で契約すると、その分、今までは1時間かかっていたのに、納品するためにかかる時間が、じゃあ半分の30分で良くなったとしても、今までは1時間だったから1時間という請求をすればいいということですかね…?なんて言えばいいのかな。かかった時間ベースの契約をしているんですよね、1社。ちょっとグレーな感じにはなるとは思いますけど、かかっている時間ベースって業務委託なのか?みたいな感じは、ちょっと置いといて、とりあえずかかった時間ベースの契約なんです。
かかっている時間ベースの契約をしている会社があるんですね。

で、自己申告をしているんですけど、実は、盛っているの逆で、結構削って少なめに出しているんですよね。
!??

例えば、営業資料を作ってと言われて作りました。で、リサーチしたりなんなりで、意外と時間がかかって、自分も思っていたよりもかかっていたとして、仮に5時間かかったとするじゃないですか。でもたぶん、向こうからしたら、「いや、この資料で5時間かかるという感じしないよな」と思うので、確かにリサーチとか、細かいけど、まあ3時間かなとかで、3時間で請求したりとかしているんですけど。
でもそれって、例えば、それがいいかどうか置いといて、その、「じゃあ、3時間かな」で作っていたものが、仮にすごい圧縮して1時間で作れるようになったとしたら、通常はかかった分の、1時間で請求するんですけど、でも自分としては、ちょっと成長したからな、元々の3時間で出したらいいのか。いや、でもかかった時間の契約だから1時間で出すのかみたいなところが、結構自分の中でなんか腹落ちしていないんですけど、そういうのってどう考えたらいいですか。
とりあえずTさんはどうしたらいいと思っていますか?

うーん、2つのどっちかの答えが返ってくるかなと思っていまして。1つは、もし本当に素直にかかった時間で出すんだったら、ちゃんとその分の単価は上げてもらわないと合わないよね、という話か。うーん、じゃあもう別に、今まで基本3時間で資料1本だったら、別にそこがどうのこうのじゃなくて3時間で出せばっていう話かなぁ。
正直聞いていて思ったのは、「無茶苦茶や!」というのが、正直思ったことなんですけど。まず、そもそも、かかった時間ベースで請求してくださいと言われているんだったら、5時間かかっているんだったら、5時間分請求してください。

………(汗)。
で、「え、これ5時間もかかりましたか?」と言われたときに、「これが5時間かかる理由は、こうでこうで、こういうとこまで実は調べるのにこうなったからなんですよ」と説明してください。なんでその、自分の方が譲る方、損する方、時間吸い取られる方にしちゃうんですか?

自分が相手の立場だったら、「いや、さすがにこの資料で、5時間もかけてほしくないし、もうそれだったら、ラフでいいから出してくれればいいのに」と思うよな、と。これ、私の進め方のミスだなというところから、これは私がいけなかったな、私の能力不足だったり、進め方のミスとか、ちょっと時間の使い方間違えたなあという気持ちになるからです。
じゃあ、Tさんの時給は、Tさん自身が決めるということですね。

……もうちょっと、説明をください。
だって仮に、時給2000円だとするじゃないですか。で、5時間かかっているから1万円なんだけど、「いや、これは6000円分の仕事しかしていない」と決めているのはTさん自身なんですよね。

……そうですね。
6000円分で5時間かかっているんだから、時給1200円みたいになりますけど、それは自分が決めるということですね。

……確かにそうなっていますね。
そうしたら、その時給で納得して仕事してくださいよ。自分で自分の時給が分かっているということなので。

ああ、なんか矛盾がありますね。だけど時間ない、時間ないと言っていて……改善の余地がありそうです……。
自分の時給のセルフイメージをいくらだと考えているか
自分は時給いくらの人間なのかというセルフイメージなんですよね。私は、セルフイメージとしてまず、すごい時給高いので、実際にもらっている金額も昔と比べたら上がってきましたけど、例えば、ちょっと分かりやすく、時給10万円だとするじゃないですか。時給10万円の人間に、その作業頼みます?って話なんですよね。

石川さんが言っていたやつだ。なんか事務仕事みたいなやつも、私もできるけど、それを自分に振りますか?という話のやつですね。
そうです。Excelでまとめるとか、パワポ作るとか、私がやってもいいんですけど、私は元ネタをこの会議で話して、あとは社員さんにやってもらった方が良くないですか、と。今日の話をもとに、それを資料に起こすのは、社員さんにやってもらった方がいいと思います。それを、もし私がやるんだったら、作業というのは時間かかるものがあるので、どうしてもそれだと丸1日拘束されるんです。もうそれだけで、私の時給は○○円なので、追加で何十万円ももらうことになりますけど、いいですか、と。そういう話になるんです。
でもTさんが、自分をアルバイトと変わらないレベルみたいに思っていたら、いつまでたってもその単価にしかならないですよ。その他、大勢いる業務委託やフリーランスとか、アルバイトとか派遣社員とかの単価と変わりようがないじゃないですか。
きっと「もっとスキルの高い派遣さんだったら、これ3時間でできるんだろうな」という仕事をする人なんですよね。だって、Tさんは実際に請け負っている仕事もそういう仕事だし、出している価値もそれなんだとしたら、単価が上がるわけがないんです。

そこだ……。
だって、比較対象がそこなんですから。
セルフイメージを上げる王道は、その領域の専門家として実力を上げる

石川さんのそのセルフイメージって、まぁ上げていったみたいなお話でしたけど、どうやって上げたんですか?もしくはなんか気をつけたことはありますか?
これは、「僕はどうだったんですか?」という質問に素直に答えると、ちょっと出だしが違うところからどうしてもあるんです。なんでかと言うと、私は外資系コンサルティング会社で新卒で入って、月200万円お客さんに請求するという世界から始まっているんです。それがベースにあるんですけど、なかなかその感覚はちょっと珍しいですね。
その理屈はどうしてもちょっと私は、抜きにして自分の単価は語れないんであれなんですけど、ちょっとそれは置いといたとして、でもさっきの1日の研修講師登壇の単価が3万円、5万円、8万円みたいに上がっていた世界も、それはそれで実際自分の身に起こってきたことではあります。
これはもうシンプルに、自分で実力を磨いてきた。
実力を上げたときに、組織ということに関して、組織の話を私と1時間したときに、私と話した以上に、「うわぁ!ためになった」という人、連れてきてくださいよみたいな話なんです。で、もし連れてこられたとしたら、「あ、知っています。だって有名人ですもん」っていうレベルの人になるわけなんですよね。
人の単価も大体分かります。研修講師とかは、すごいちょっと分かりやすいんですけど、1日いくら、半日いくらの世界だったときに、昔、その半日いくらみたいな世界で、日本一は誰なんだろう?で、調べてみました。当時は、日本トップクラスは亡くなった野村克也監督などで、2時間話しただけで100万円とか300万円みたいな感じの単価でした。
あと、大前研一さんとか、ホリエモンとかも、ランキングに入っていたかな。この人たちは、2時間喋るだけで、軽く100万円とかもらえるんです。で、それは最高水準で、私もさすがに、「あ、すいません。私と喋るだけで2時間で100万円はいただかないと」とは、思ってもいないし、言ったこともないんですけど。そこが最高クラスなんだなというのは、1つ指標ですよね。
ちなみに、世界トップクラスだともっといて、ウォーレン・バフェットと2時間喋るといくらだとかあるんですけど……じゃあ、じゃあ(自分は)どのくらい?みたいなことを考えたときに、さっきの最初の外資系の会社での単価感とか、1日とか時給みたいなの考えたとき、また、他の人のとかもなんとなく知っていたりとかするんですけど、自分はいくらなんだろうと考えること、これが1つ。
あともう1つは、私の場合は、組織に関わる仕事をしているわけなんですけど、組織に関わったときに、じゃあその会社にどれぐらい利益をもたらしたかという話なんです。
営業研修をやったら、その研修受けた営業マンが営業にいって、今まで100万円しか売れなかった人が500万円売れるようになりましたといったら、400万円の価値があるみたいな話のレベルの話ではなく。
私はやっている仕事は、この会社の年商100億円が、5年かけて120億円になるというときに、極論を言うと、結構半分ぐらい自分の貢献だったりするんだよね、みたいな、そんなことはないんだけど。でもその感覚みたいなところというか、その責任ぐらいのつもりでやっています。
それはDoをしているわけじゃなくて、何か作業を割り振られたものをやっているわけじゃないんですけど、経営者さんの相談に乗って、経営者さんの一番の悩みを聞いて、経営者さんの経営課題を解決したりするわけで、で、経営者さんがその会社を100億から120億にしているんだけど、「いや、でも石川さんがいなかったら、この会社の成長はなかったな」とポロッと言ってくれたとしたら、やっぱり貢献はしていて、それだけの貢献をしたらなら10億円ぐらいもらってもよかったんじゃないかな、みたいな感じです、あえていうとですよ、感覚としてはねの話です。
つまり、自分はどこにコミットしているか、ということです。

ああ、なんか色々よく分かりました。たぶん、今の感じだと、その「何でもやりますよ」で入っているがゆえ、コミットパートが作業の巻き取りになっちゃっているから、ちょっと今のこの問題が起きている気がしました。
比較対象が派遣社員さんとかになっているんでしょうね。

そうですね。うん。 しかも、なんか今まで、なんて言うんですか?外注する側にいたり、ちょっとなかなか経費に厳しい会社さんにいた時間も多かったので、「安けりゃ何でもいい」みたいな、「叩けば叩くだけいい」みたいな社長さんのときもあったときに。なんか、なおさら、「あ、多分、だいたい、例えばじゃあ資料作りでいくらくらいって、そんなもんだよな。なんか相場みたいなのを勝手に思っちゃっているみたいなところが、いろいろある気がしました。
なので、自分は何者なのか、ま、時給、月給、年収いくらの人材なのかを考えたらいいと思います。

そうですね。なんかそこがはっきりできれば、ちょっと動き方が変わってきそうですね。
みたいな話を、たぶん前もしているから、ちゃんと時間を取って考えた方がいいと思います。

そうですね。でもなんか、自分がやっぱり苦手なところとかって、なんか何回も言われないと分からないですね。本当に。なんか散々、多分この話を収録する前から、石川さんに会うたびに言ってもらっていた要素も多くて。初めてじゃないんですけど、でもやっぱ繰り返し必要なこともありますね。
どういうキーワードでまとめるのがいいのか、ちょっと分からないですけど、1つの言い方としては、ブランディング、私は何者ですかというのもそうですし、だからいくらはもらわないと働けないというところの話かなと思います。
弁護士さんとか分かりやすいですね。「私、弁護士なんで相談に乗るだけでお金がかかります。時給1万円はいただきます。」これは、例として分かりやすいブランドです。弁護士みたいに分かりやすい資格がない人間は、自分でブランディングしていかなきゃいけないんです。ブランディングしていかないと、やっぱり単価は上がらないです。
個人事業主として自分の単価(時給)をあげていきたい
- 個人事業主として仕事をしていくのであれば、自分の単価(時給)を上がていく努力は大切
⇒王道は専門領域で実力を上げていくこと - 単価の高い人材とはどういう人間なのかというと、どこにコミットして、どれだけ利益(価値)を生み出しているかということは1つ大事