ライティング系の仕事で時間がかかってしまいます|どこに難しさを感じているのかを探究する

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今回の探究テーマ:個人事業主 30代 女性 Tさん

前回は、「まず構造を整理して図解化する」を学びました。でも構造が整理できていても、要約など文章にするのはまた別の難しさがあります。いったい「ライティング」のどこを苦手としているのか、何に時間がかかってしまっているのかの原因を探りつつ、どういう意識やスキルを身につけていくといいのかを考えたいです。

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Tさんはライティングのどこを苦手としているのかを深堀する

情報を表でまとめるは、たぶんできる、できるし、苦しいとは思わないんですけど、じゃあこれを文章に起こすとなるとあぁ難しい…って思いました。

前回の課題の要約の解答例も見ながら考えていきましょうか。前回出した課題の約1,600字の新聞記事の要約文を見たとき、あの情報もあったのに、あそこも削っちゃったの?とか、なんかこれあたりきつくないですか?とか何でもいいんですけど、Tさんが違和感を感じるものはなんかありますか?

要約 解答例

新生銀行は11日5800億円でGEからレイクを買収した。貸付金残高はプロミスなど大手4社と並ぶ。他行に比べ強みが見いだせない中、リテール事業を立て直すことが狙いだ。しかし、株価は前日比3%下落し、格付けも「下げ方向で検討」とされた。背景として、消費者金融事業に対する総量規制導入などの規制強化がある。貸倒損失が増え、収益が圧迫される可能性もある。

これを見て、違和感はないです。感じた感想でいうと2つあって、1つは、もちろん要約はやっていかなきゃなんですけど、たぶん要らない…これは要るのか、重要情報なのか、要らないのかっていう判断がまずやっぱり苦しいなって思いました。ここまでいきなり綺麗にするってなると、大変そう~ってまずスタート思ったのが1つと、もう1つは、事実を並べるとか、既にある文を組み替えることはいいけれど、想像して膨らませたり、言っていないことを言わせるとかが苦手だなと思いました。

 
ここを具体的に言うと、採用広報の文脈で社内インタビューをして、採用サイトにストーリー記事として載せますっていうミッションがあったとします。社員の方にインタビューをしました、○○会社のどういうところがいいですか、なんで入ったんですかみたいな話を聞いてくる中で、本人は例えば、ちょっとカジュアルな話で、面接で出てきてくれた役員の△△さんとすごいなんか意気投合して、なんか一緒に働きたいと思いましたみたいなお話があった。

 

ここから、自分で解釈したり、膨らませたりとかして、まぁ言ってないわけじゃいし、確かにそのとおりなんだけどその言い方は全くしていないよねっていうのに直さないといけないのが苦しいなって思います。例えばこんな感じです。

 

(元の話)
役員の△△さんと意気投合して、一緒に働きたいと思いました

(記事にする時)
役員の△△さんが語る○○社の理念やビジョンに共感して……

役員の△△さんのそのXXXの話を聞いて、○○会社のミッション・ビジョン・バリューのどこどこにすごい惹かれて、実際にそういう環境があるっていうことを理解して自分のベネフィットとフィットしたと思いましたみたいなのを、さっきの言い方から言い換えるとか、想像を掻き立てて言葉を変えるというのが苦しいなっていう感じです。

ちょっと素直に言うんですけど、最初の仮説として、Tさん単純に国語が苦手なのかなみたいな仮説も持ちながら課題を渡し、今日を迎えていたんですけど、ここまで聞いてわかったことは、Tさんは馬鹿じゃないし、国語が苦手なわけでもないということがわかりました。私の見立てとしては、削るとか膨らますという恣意的なものに対する抵抗なんだなと思いました。

ちょっと例えていうと、茶道ってあるじゃないですか。お茶立てて、おもてなししてもらって、茶室でお茶飲んでみたいな出来事があり、本当に素晴らしい時間だったなと本人が思って 茶室を出たときに、何をどう記述するかって、めちゃめちゃ難しいわけですよね。

しとしと雨が降ってたとか、お茶立ててくれた人の服装が美しかったかもしれないし、声の出し方がよかったかもしれないし、純粋にお茶がおいしかったかもしれないし、自分の体調が整っていたかもしれないし、素晴らしかったというのは、どれが原因でどれが結果かどれが相互作用しているのかを捉えるのは非常に難しいわけです。

だけど、人にわかりやすく伝えるためには、どこかにフォーカスしたりとか、因果関係としてこうでしたって言わなきゃいけないみたいなことが起こるわけですよね。

今日は茶室に入る前から、しとしといい感じの雨が降っていて、何か今日はいい時間になりそうだなって、私は思って茶室に入りました。いざ入ってみると、先生が満面の笑顔で迎えてくださって、本当に私は迎えていただけているんだなって、感じましたみたいな時系列で書いたりする必要があるわけです。

笑顔で迎えられたから後で振り返ってみると、雨もよかったなって思っていたのかもしれないじゃんみたいな可能性を排除しながら、文章というのは書いていくわけです。

且つさらに、さっきの採用広報の話でいうと、例えば今のお茶の例でいうと、同席していた人が「これ本当においしいですね、京都のお茶ですよね」という風にいったとするじゃないですか。それに対して、京都のなんとか産のお茶というのはこういう特徴があって こうでこうで…その味がわかるくらい 私たちはその場が素晴らしかったので、繊細に味わうことができました みたいなことを書いたりする必要性があったりするわけです。

実際に本当にそうだったかもしれないし、本当においしいですねっていった人は、別にそこまで考えてないわとか、書かれてみても、嘘じゃないかもしれないけどみたいなことはあるわけです。あるわけだったときに、これはライティングスキルとして絶対に持っておいた方がいいのが、1度とにかく書くです。

時間をかけずにやることも大事なビジネスシーンにおけるライティングでは

1度とにかくどれかのパターンで書く。Aも、Bも、Cも、いろいろなパターンあるけど、Aパターンで1回書いてみます。迷っているよりも、迷って1時間半かかるんだったら、Aパターンで10分で書いて、人に見てもらう。

同席してた人だったり、今回のライティングを頼んできた人だったりにもう出しちゃって、見てもらって、「あ、いいんじゃないですか、全然これは違和感ないです。私そこまでは言ってないですけど、なんかそんなつもりで言っていました。全然OKです」みたいなことがあるわけですよね。

もちろんチェックしてもらったら、ちょっとこれは私の想いとしては、さすがに意訳しすぎなので直してほしいんですけど、みたいなことが起こるじゃないですか。というやりとりをした方が、100倍速いから、1時間半かけて悩んで、こうかなぁ、でもこの人本当にこう思っているのかな、この話の筋でいいかなってせずに、叩き台として、今回こんな感じでストーリー組んでみましたけど、どうですかとやってくださいって感じなんですけど、ここまで聞いてどうでしょう。

そうですね。いや、仰るとおりだなって思ったのが1つと、そう…Aパターンのライトなやつでいこうのライトなやつでも時間がかかっちゃうんですよ、時間が。

 

で、それって、例えば本当にまさに今日の事象でいくと、採用広報の記事でインタビューしてました。退職理由…転職の理由みたいなのを伺って、まぁそれも1回書いて、見せてて、本人に、直してフィールドバックもらってっていうのが今日なんですけど、今の会社さんの方針で、できるだけ前職を傷つけないように、言い換えてほしいというオーダーがあったので、まぁ自分なりに考えて出しました。で、本人からのフィードバックでもっとまろやかにしてくださいというオーダーがきて……。

 

言いたい、言わんとすることはわかるんですよ。感覚としてはわかるんですけど、それをはた言葉に、その文語にしようとすると出てこない、出てこなくて、ちーんってなるで、これをまろやかにって、え!?みたいな、言いたいことはわかるし、思いはわかるし、そこはわかるんだけど、筆が止まるみたいなのが意外と時間がかかる理由。言葉が出てこない。

これは、ライティング系の業務が、Tさんの仕事として、左上〈やりたくない〉×〈稼げる(稼ぎやすい)〉仕事だという前提で話をします。これが右上とか右下だったら違う話を僕はするんですけど、左上だという前提で話をします。

左上なら、極端な話、もうばっさり割り切る。ばっさり割り切るとは何かというと、「前職も素敵なところがあったんですけど、もっと新しいフィールドにチャレンジしてみたいなと思ってきました」すごいばっさりいったら、みたいな。

これは、前のここが嫌で、だからここに入社したというストーリーすらなくなってしまっているけど、マイルドにしてと言って、ある種 転職理由として、前の嫌さからここきましたとはっきりとした因果関係があったら、面接官からしたらすごいちゃんとした理由じゃないですか。

それを聞いたらすごい納得する理由なんだけど、マイルド表現にしたいよねというんだったら、もうばっさり切るしかないんですよという割り切りくらいのものが、今 仕事としてやっているライティングとしてたぶんあってよいように思います。

これはちょっと仕事の単純な進め方ですけど、真ん中を見つけるときに、右に振って、左に振ってみたいなことをしたときに、振った方からちょっとずつ真ん中に寄せていくのはすごい時間かかります。

その場合、こっちで駄目ですと言われたら、反対側に振ってみる。

で、反対側に振ってみたら、さすがにファクト飛ばしすぎじゃないと言われたら、この間が見えてくるわけなんですよね。もうちょとマイルドにしてほしいですねと言われたら、もう無茶苦茶マイルドに振るわけです。そして、で、これはさすがにちょっとマイルドすぎません?と言われたら、足してみるという方が早い。納品物を仕上げるという意味では、ライティングの仕事をしていくんだったらこのあたりは考えていってもいいかなと思います。

文章を書く(ライティング作業)ができないわけじゃないけど時間がかかる

  • もしライティング系の仕事を効率よく稼ぎたい仕事としてやっていくのであれば、スピードを重視し、表現などは割り切って書くことも大事
  • おすすめとしては、
    ⇒複数パターンがあり得るならとりあえずAパターンで書いて人に見てもらう
    ⇒ちょっとずつ真ん中に向け修正するのではなく、対極を書いて、そこから調整していく方が早い
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