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頭で考えるのではなく、感情をちゃんと感じるというのはとても難しいです…
母性的に、自分の気持ちを味わい尽くすというのは難しさもありつつ、仮にできたとして、どの状態で母性的に味わい尽くせたのかなみたいなのが、いま感覚としてあまりわかっていなくてですね。
理論というか、言っていることはよく理解できますし、この前に行ったビジネススクールでも、まさにそういうことをやっていたので、効果も何となくはわかるんです。
でも、頭の中で、母性的に味わい尽くすというプロセスの理論はあるんですけど、一瞬パッとやったときに、「もういいな、父性でいこう」となったときに、たぶん母性的に味わい尽くせてないので、ちゃんとできていないみたいなのが、自分に起きているなという気がしていまして。
味わい尽くせたってどう判断したらいいでしょうか、ということが気になりました。
【母性】と【父性】は、【右脳】と【左脳】みたいに言ったりしてもいいかなと思いますが、もしくは、あと【男性性】【女性性】みたいな風にも表現してもいいかもしれないですが、
一般的に言うと、【右脳】【女性性】の領域の取り扱いは男性の方が苦手な傾向があります。
気持ちや感情を味わい尽くすのは、【男性性】の領域ではありません。Tさんがさきほど「感覚としてわかっていない」と言っていましたが、【右脳】【女性性】の領域はまさにそうで、感覚なので見えないし、数字にして表せないし、はっきりしないものなのです。傾向としては、ジェンダーで言うと、女性の方がそのあたりは優れている人が多いです。
私も男性なので、Tさんの気持ちがよくわかるんですけど、例えば、女性たちが「仕事、疲れちゃってちょっと大変で」とか、会社のちょっとした愚痴みたいなものをカフェで話していますみたいなときに、誰が言うでもなく、自然と話題が変わっていくみたいな場面を目にしたことはありませんか?
このときに「これは今 あなたは充分に愚痴を言ったので、この愚痴はみんなで受けとめてあげたから、あなたは癒されましたよね。じゃあ次にいきます」なんて言わないじゃないですか。
でも、みんな何となくわかっている。感覚として。だいたい気分が晴れてきたんだなというのがわかって、次の話にいくわけです。この感覚は、わかる人には特別なことではないかもしれませんが、男性性や左脳優位な傾向の人からすると、なかなかすごいことをやっているように見えるかもしれません。
今は数値で測れないはっきりしないものとして扱われる「感覚」ですが、恐らくこれから科学でもっと数値化できるようになってくると思います。既に研究されている部分もありますが、生理学的に何が分泌されているとか、何が分泌されていないとか、データが取れるようになってくるとは思います。
なるほど…
「気持ちをちゃんと感じる/味わう」とはどういうことなのか、そのやり方は?
もうちょっとわかりやすいイメージをご紹介すると、例えば、アスリートが自分の身体の疲労度を感じられると言ったら、感覚的にわかりやすい方もいるかもしれません。
野球でピッチャーやっていて、100球投げている身体の重たさとまだ50球くらいしか投げていないときの身体の重たさと肩の張りは、たぶん違う。実はそれと同じようなことで、自分は悲しみをどれくらいちゃんといま悲しめて、解消されたのかとか、そもそも今 自分が感じている悲しみは、100なのか 80なのか、どれくらいなのかとか。本当に身体的疲労みたいなのと同じように、感じ取れるようになります。
これは、感じ取るトレーニングをしてきていないので、最初はわからないんです。でも、意識を向けて、言語化するみたいなことも含めて、感じ取るトレーニングを繰り返しやっていくと、ちゃんと感じ取る能力が上がってきます。
例えば、今日上司と揉めた。すごい腹が立っているみたいなことを書き出したときに、3日前の上司と揉めたときの腹が立っているは120だったけど、今日の腹が立っているは80くらいかもしれない。
このように、ひとつひとつ感じ取るトレーニングを積み重ねていくことで、「いま自分の感じている感情はどれくらいの大きさ(深さ)なのか」や「それはどのくらい解消されたのか」などがわかるようになってきます。
私もすごい男性的思考で、一般的にいうところの左脳的で、【母性】と【父性】でいうと【父性】でやってきた人間だから、非常によくわかるんですけど、何となく気分が上がらないなみたいなやつとかも、それこそすぐ分析したくなっていました。何で気分が上がらないんだろうとか、あれが原因かなとか。
それが絶対に駄目だとは言いませんが、やっぱり原則は【母性】→【父性】の順番が大事だと思っています。
私が自分自身に対して、だいぶ前より上手になったなと思うことがあるんですけど、何となくネガティブな状態だなみたいなときに、上手く説明できない、何となくの状態に自分を浸からせることが昔よりすごい上手になった感じがあります。
「今は何か嫌な感じなんだなぁ」というときに、理由もわからない、どれくらいかもよくわからないし、何が原因かもわからないけど、「なんか嫌な感じなんだなぁ・・・」という状態のまま自分を10分とか1時間とか、1日とか3日とか結構置いておけるようになったんです。
これも本当にトレーニングを重ねる中で、だんだん時間が伸びました。左脳で処理せずに、気持ちを置いておけるような状態。ちゃんとそうやって自分の気持ちを味わえると、あ、これかぁ・・・というのが見つかるタイミングがあることもわかってきました。
ちゃんと気持ちを感じている状態に自分がいると、自然と答えが見つかるということも経験上信頼するようになってきているので、焦らなくなったというのもあります。
ネガティブな状態ってストレスフルで、早く抜けたいじゃないですか。抜けたいから理性や父性の方を働かせて解決しにいこうとすると、だいたい浅いものしか出てこないというのも、経験上よくわかるので、それはしないように今はしているという感じです。
絶対また父性的にアプローチするなって思いましたけど・・・理解はしました。
本当に何でもそうなのですが、小さなことでもまずは試してみると、成功体験が生まれます。これは私が本当に実践してみたことなので、割と自信を持って今の話についても言えることです。
特に、ネガティブな感情や物事を取り扱うときは、【母性】→【父性】で取り組むという順番を明確に意識して、すぐに解決策を探しにいかずにその状態を味わうということを意識すると、今までと違う答えが出てきます。頭を働かせても全然たどり着かなかったのに、自分の気持ちを丁寧に感じたら、このレベルの解決策が自分から出てくるんだみたいなものが、ちゃんと出てきます。
その体験があると、3分しか耐えられなかったストレス状態が、5分耐えられるようになり、それが10分になり…みたいに、成功体験によって拡張してくるのです。
成功体験なしに理屈だけでそれを伸ばそうとするのは無理があるので、まずは1分でいいから浸ってみようみたいなことをぜひ挑戦してみてください。解決しようということしかやったことがなく、ネガティブな感情や気持ちに1分も浸ったことのない人はたくさんいます。
そこを1分でいいから、「なんか俺 今日本当に嫌だったんだなぁ」とか、「なんかよくわからないんだけど、今 気分があがらないんだなぁ」というのを1分でいいので、分析せずに、ただよく感じてみてください。
いや、本当になんかそうだなぁと思って。
すごい繰り返ししているなぁ、自分が繰り返しているなと思ったことが、解決策を考えて、ちょっとやれたりやれなかったりで、、、また、マイナスな気持ちになってきたときに書き出して、解決策を出して・・・みたいな、そういうのを何回もやっているなと思いました。
根本的にその悩みを解決したいと思えていないとか、自分の気持ち的には別のアプローチがよかったから、たぶん同じところをぐるぐるしていることがあるんだろうなぁと今 思いました。
女性性(情緒、感情、感覚領域)を上手く取り扱えるようになるために
- そもそも男性性優位だと、女性性(情緒、感情、感覚領域)は苦手なことが多い
- 「ストレス状態から早く抜けたいから、早く左脳で分析する」をすると浅い解決策しか出てこないことが多い
- いま自分はどのような気持ちを感じているのか、いま自分の感じている感情はどれくらいの大きさ(深さ)なのか、例えば数値で表すとどのくらいなのかなど、感じるトレーニングを積み重ねていくことが大事
- 「感じるのが苦手」でも「感じてみたらちょっと今までと違った」という成功体験によって、女性性の領域の取り扱いも段々上手になっていく!