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不動産屋の営業マンが残念だったときの体験談
自分がお客さんの立場だったときに、すごい覚えている経験があります。ちょっと引っ越ししようと思ってたタイミングで、不動産屋さんに行ったんですよね。で、何個か物件をまわってもらって、見せてもらってみたいな感じだったんです。
当時自分も若かったけど、もっと若い担当者の方で、20代くらいの方だったと思うんですけど、「引っ越しはいつ頃ご予定されているんですか?」と聞かれて、「ああ、まだ決まってはいなくて、全然。1年以内でも2年以内でもみたいな、いい物件があったらいいタイミングで引っ越ししようと思っているんです」という感じで、私が答えた瞬間、すっーとエネルギーが引いていくのが目に見えたんですよね。もう突然すごいぞんざいな扱いになったんです。
この人は売れっ子営業マンには、たぶんちょっとなれないだろうなと思ったことを記憶していて、短期的な経済合理性でいったら、当時の若い彼が、そういう風になってしまうのはわかるんですけど、逆の立場だったら、絶対に紹介は起こらなくなるし、次のタイミングで本当に引っ越ししようと思うときに、また行こうとはならなくて、そこにはいかないと思いますし、何だったら、いや あそこの不動産屋やめておいたほうがいいよと、その人だけじゃなくてお店に対してやめておいたほうがいいよとなりますし…という想像力に欠けてるんだなとお客さん側としては思うんですよ。
そして、実際にそういう人たちは、紹介が起こらないから、いつも新規顧客を頑張って獲得しなきゃいけないんです。だからしんどいじゃないですか。それで、ますます苦しくなって、目の前の今すぐ引っ越す人見つけなきゃみたいなモードに入っていくわけですよ。
そこでちゃんと、せっかくのご縁だから、どうせこの1時間はもうこの人と過ごすんだから、自分ができる最高の1時間にしようとしたら、お客さんはそのよい体験を記憶するし、次本当に自分が引っ越そうと思ったときはあの人指名でってなるし、周りにいるご近所さんで引っ越しの話になったら、あそこの不動産屋さんのあの人すごいよかったですよというわけです。
このように起こることが全然違うということが想像ができていない。お客さんの立場になったら絶対にわかるはずなのに、それができなくなっちゃうのは、それは何をみてるか、みえているか、どういう時間軸で捉えられているかなんですよね。
それによって後回しにしてツケが回ってくるの意味が変わってくるんですよ。結局最初に話した営業マンみたいな人は、新規顧客を取りに行かなきゃいけないみたいなことをしなきゃいけなくなるんだけど、そういうツケが回ってきているのは、実は目の前の見込み客になっていない人を、大切にしていないから、そういうツケが回ってきているというシステムがまわっているということに気付いていない。

いや、まさに不動産を探しているので、いい営業と、いや、いい営業あんまりいないなって思うんですけど、やっぱりその……会っているときは、人柄はいいけれども、その後のフォローがちょっと微妙だったりとか、その連絡とかも、定型メールがくるとやっぱりこう気持ちが離れるなっていう感覚は、僕自身が強く感じていたんですよね。
で、だからその人にまた相談したいとか、自分の中でニーズが強まったら、また相談しに行きたいとか、その人を紹介したいとかにならないというのは、まさにそのとおりだなという風に思って。自分がお客側だと実感しているのに、その営業する側になるとなんかこう忘れちゃって、日々のこう…ね、今の仕事はKPI、KPIみたいなのはあまりないですけど、そういうはい、そういうKPIみたいなところにすごい捉われてしまっていたなぁというのを強く感じました。
自分の仕事をする目的は?仕事の意義は?
そこのところはすごい大事な話だなと思います。と考えてくると、最初に言っていた、やらなければいけないことを後回しにしてツケが回ってくるの言葉の意味が変わってくるんですよね。
前の記事でいっていた、やらなければいけないことというのは、心を無にして、定型メールを大量に打つみたいなことがやらなければいけないことで、それは面倒くさいから後回しにして見込み客が捕まえられない。営業のプロセスとして、実際にこうこれは力を入れるお客さんだぞと思い始めれば楽しいんだけど、そうじゃない無駄打ちになるかもしれない人との接点は楽しくない。と、言ってるからこの状態になるんですよね。
だけどさっきの不動産営業の人が、僕と関わった人に、すべての人に、素晴らしい不動産と出合ってほしいと思っていたら、全然違うんですよ。
「引っ越しは1~2年後なんですね。じゃあ1年後だと、マーケットも結構変わりますし、家賃相場とかも土地によって結構変わるんですよね。今でいうと、ここ高いんですけど、実は私2年後上がってくるのここだと思ってるんですよ」みたいな話ができたら、絶対に次この人のところに来ようと思いますし、来なかったとしても、とにかく最高の不動産に出会ってもらうのが自分のミッションだって思ってたら、別に自分のところで売上立たなくたっていいんですよ。
ちなみにこれも1つ、これ最近あった話ですけど、そういう不動産屋さんに出合えたって結構身近な人がいて、結局そこの物件では決められなかったんだけど、本当に最後まで丁寧にやってくれて、あんな人いるんですねみたいに、友人が言ってたんですけど、そういう人のところには次もお願いしたくなる。
その友人は、ちょっと申し訳なくすらなっているんですよ。あそこまでしてもらったのに、結局彼の物件じゃなかった。彼に恩返ししなきゃ。彼には1円も入らなかったから、お返ししなきゃみたいな状態に、気持ち的にはなってるんですよね。なんか次あったら、絶対にパスしようみたいな。そういう人のところにやっぱり仕事はちゃんと集まってきますと思います、やっぱり。
これはちょっとある種結論めいた感じになっちゃいましたけど、繰り返しになっちゃうかもしれませんけど、あらためて感想とかありますか。

いやぁ…耳が痛いというか……………そうですね。やっぱり今の仕事も結構長くなってきたので、割とこう何ですかね、手なりでできるような部分もあり、1つ1つにそういう気持ちを持って、やりきれてなかったかな。特にこう……見込みになる前まで。まさにこう見込みになりえる、その案件とかになると、すごい自分もアドレナリン出て丁寧に丁寧にっていうのは、そんなの誰でもそうで、当たり前だなってすごいあらためて感じましたし。
さっきのそのお客側で、いい営業と出会って、その人の数字に自分がなれなかったら、申し訳なく感じるみたいなのは、まさに本当にそうだなって思います。自分も紹介とか、次の購入タイミングがあったら、絶対にその人からって気持ちになるので、言われたらあたりまえじゃんって感じなんですけども、なんかそういう風に思われるように相手視点で、仕事をした方が自分も楽しいですし、楽になっていくなっていう。短期的には数字に繋がるかどうかっていうのは、苦しいフェーズはあるかもしれませんけれども、そこを乗り越えると、中長期では、いいスパイラルが回っていくんだろうなというのはすごいたぶんこういう話っていろいろな本にも書いてあったり、石川さんからもたぶん聞いていると思うんですけど、今日の切り口、なんかあらためてグッとくるものがあったなっていう感じです。
システム思考(システムシンキング)を身につける
知識提供的なことでいうと、こういうのは結構システムシンキングで取り扱う領域です。
よく例で説明しているのが、「予防」「トラブル」「 忙しさ」という3つの変数のシステムの循環図です。これを好循環でまわす人は何かというと、ちゃんと予防しているから、トラブルが起こらなくて、忙しさが増えなくてちゃんと予防する時間が取れるなんです。

でも結構多くの会社が、そんなこと忙しくてやってらんないよみたいな。そういう口癖が蔓延している会社は、忙しいから、予防しなくなって、トラブルが起きやすくなって、ますます時間を奪われるので、時間がなくて先々の予防なんか考えている暇がないよといって、どんどん落とし穴にはまっていく。
変数は一緒なんですけど、好循環でまわっているか、悪循環で回っているか、だけの話なんです。
悪循環にはまっている人たちは、何かが自分たちをこの状態に貶めていると思っているんですけど、システム思考でいうとメンタルモデルがこの状況を生み出しているんですね。メンタルモデルは、私は、口癖に現れるとよくいっているんですが、忙しくて予防なんかしている暇ないよという口癖、その思考パターンが自分たちをその状態に陥らせているということの自覚がないんです。
でも好循環で回している人たちは、ちゃんと予防して、だからトラブルが起きづらくて、だから余裕があって、だからもっと先々の手を打てるようになっている人たちって、ちょっと忙しくて先々の見通しを考えるみたいな時間が取りづらくなっても絶対に取るんですよ。
これをさぼったら、忙しくなって、予防ができなくなって、ますますトラブルが起きやすくなっていく。悪循環に入るってことを認知しているから絶対にさぼらないんです。
ちょっと忙しくなったくらいでは、予防するというアクションを絶対に落とさないぞ。これはちなみにダイエットとかも一緒なんですけど、そこのメンタルモデルをちゃんと持ててたら、好循環で回せます。本当に思考パターンとか口癖が結局現象をつくっていくので、自分がどういう捉え方しているかなんです。
ここまで話してきて後回しにする癖は改善できそうか
スタートとしては、やらなければいけないことを後回しにしてツケが回ってくるだったんですけど、改善できそうな感じしてますか。なんかこうやってたら改善していけそうだな、自分でちょっと変えていけそうだなという感じが、まずしてるかどうかなんですけど、どうですか。

そうですね、今、結構改善できる気がしてまして。種まきのところはその最後お客さんのために繋がる最初のこう一歩目という捉え方で、作業的にやらない。それと数をどこまで両立できるのかなみたいなところは不安ひとつあります。
というのと、意識しているつもりでしたけど、たぶんこうすぐの見込み客になりえなさそうな人とか、うーん、そもそもお客さんにならなさそうな人に対しては、同じくらい熱量とか丁寧さを込めてやれていたかというのは疑問なので、それをどこまでやるかっていうのはありますけども、さっきこう出てきた売上は手段なので、事業の目的に立ち返って仕事に向き合うみたいな捉え方を意識していくというのが、やれるかやれないかの分かれ道になってくるのかなという風な気がしています。
仕事上のやらなきゃいけないことを先延ばしにしてしまう
- 今回のケースでいうと、何のために仕事をしているのかを意識して取り組むところに1つ改善のヒントがありそう
⇒自分がお客さんの立場のときに、いい営業だと感じたのはどんな人だったか - 好循環を回して仕事をする人(組織)と悪循環を回して仕事をする人(組織)がいる
⇒両者の違いはメンタルモデル=口癖
⇒システム思考で捉えたときに、改善すべき要素が見えてくることも