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桁違いの成果を出している先輩と自分は何が違うのか
その桁違いの成果を出している先輩と自分の違いを感じるのは例えばどのようなところですか。
仕事ができる先輩と自分の違いは……わかりやすいところでいうと、まず所謂成績と言いますか 、売上実績などで2倍とか3倍くらい数値的な差があります。
また、そこに至るまでのお客さまからの信頼を獲得しているレベルであったりだとか、あとは…何ですかね、案件の獲得とその後の進捗、ハンドリングみたいなところを含めてグリップ力がものすごい強いなという風に傍から見ていて思うんですけども、そのあたりってブラックボックス化しているので、具体的に自分とどう違うのかというのはよくわからない状態です。
自分はシンプルに数字をつくるみたいなところは最低限できるんですけど、これ以上成果をあげるとなると、労働時間を増やすしかないという方法しか、今自分の中に思い浮かんでいないので、どうしたら先輩みたいにできるのかなぁという風に思っているところがあります。
これまで多くの方のキャリア相談のコーチをしてきた経験なども踏まえ、今の話を聞いた時点で、こういうところに違いがありそうだなという仮説をまず少しお話してみます。仮説を聞いて、確かにそこに違いがあるかもとなるかもしれないですし、「いや、そこじゃない」「そこはそんなに変わらない気がするんだけどな」となるかもしれませんが、いったんここまでの情報で考えてみましょう。
先輩と自分は、結構桁違いに違うみたいな感じでTさんは仰っていたときに、一言でいうと、仕事にどのくらい喜びを見いだせているかの違いがありそうだなというのが、まず私が思ったところです。
Tさんのような営業のお仕事は、お客さまがいて、お客さまに喜んでもらって、それが自分の成果になるという側面があると思うのですけど、非常に単純に「お客さまに喜んでほしいな」「お客さまの役に立ちたいな」「役に立てた嬉しいな」なのか、「仕事だし、お客さんに対応しなきゃいけないし」というモードで仕事をしているのかで、まずかなり差がつくと思います。
例えば、お花屋さんで、結婚式のようなパーティー会場のフラワーコーディネートの仕事を頼まれました。そのとき、どうしたらこのパーティーの主役の人たちが喜ぶか、パーティーが盛り上がる飾りつけにできるかな、どうやったら喜んでもらえるかなということを考えるのが楽しい。そして、実際に考えたパーティーが素敵に終わって「すごくよかったです」とお客さま言われて嬉しいという人は、恐らく普段、自分の労働時間のことをほとんど気にしていません。
一方、「何時何時までにパーティーのための花の企画考えなきゃ」「●個手配して 何色とかも考えないといけないんだよな」というモードで仕事をしている人は、当然ですけど、前者の人とは状況が全然違います。
まず本人にとって、仕事の時間が楽しいか、苦痛かみたいな違いがあります。その上で、仕事を楽しみながら、「もっとこうやったら当日喜んでもらえるかな」「そういえばお料理はどうなっているんだろう」「お料理とのバランスはどうかな」「もしかしたら香りがバッティングしちゃったらどうしよう」…というように、どんどん思い浮かんできて、自然と細かいところまで気を付けられたりします。
それは先ほど、お客さまのグリップ力みたいな表現があったと思うんですけど、当然それだけ気をかけてくれているということが感じられれば、お客さまの方も「この人に頼んでよかったな」「信頼できる人だな」となりますし、例えば、こんな色もいれてほしいんですけどなど、途中の要望がきたときに、「もう発注しちゃったんで…」みたいな事務的な対応なのかで、「もうこの人に頼むのやめようかな」「友人に紹介しようとは思わないな」と差が出てくることはありえます。
今は花屋の例でお話しましたが、どんなお仕事でも、この仕事の価値や意味というものを自分の中でどれだけ見いだせているかはすごく大事で、実際にパフォーマンスにも大きく影響があります。
仕事がやりがいがって、楽しくて、労働時間があまり関係なくなってくるというのは、これは無制限にとにかくブラック企業みたいに労働時間長く働いた方がいいですということでは、決してありません。もちろん健康も大切ですし、自分のプライベートの楽しさも大事なんですけど、何だか時間をかけると損した気がするみたいな状態でいい仕事をするのは結構難しいのも確かです。
仕事は、自分の苦手な領域もあったり、細かいことをやらないといけなかったり、面倒に感じるときもあったり、全部が全部楽しいわけではないと思いますが、大きなところでいうと、「自分の好きなことや得意なことで、お客さまに喜んでもらえる機会をもらえて、貢献できて嬉しい」みたいな気持ちでやれたら、理想的ではあります。
実際にこれまでコーチングなどで多くの人を見てきて、そういう気持ちで仕事をしている人は、やはりちょっと桁の違う結果を出しやすいなっていうのは思うところではあります。
自分なりのこの仕事の楽しみ方みたいなものを見出せるか
ここまでの話を聞いて、どうですか。
正直に言うと、結構そういう違いはあるかもなというのが、率直な印象です。
いま自分の中に思い浮かべていた先輩は2人いたんですけど、1人は確かに「お客さまに喜んでほしい」とか、「仕事が楽しい」「もっと貢献したい」というような考えもたぶん持ちながら、やっていらっしゃるんだろうなと思いました。
という先輩と、もう1人は営業としてお客さんにいろいろと提案して、新しい取り組みが新しい何かの価値に繋がるみたいな、そういう営業活動が楽しいと言っていて。それに対して自分は、対予算でどうかとか、それに紐づいて自分のインセンティブがどうかみたいな、そういったところにすごい目線がいっていたのが違いがあるんだなという風には感じました。
やっぱり自分がこの仕事を通して楽しめるとか、こういう貢献をしたいとか、こういうチャレンジをしたいみたいなものがあると、仕事に取り組みやすくて試行錯誤も出てきやすいし、創意工夫も出てきやすくて、当然成果も出しやすくなるんですけど、それもタイプがあります。
お客さまの笑顔を見れるのが本当に嬉しいからすごい頑張れますというタイプもいれば、正直お客さんの笑顔にはあまり興味ないけど、ゲームが攻略できたみたいにパチパチッと自分の戦略がはまって、ちゃんとビジネスとして成果が出たというときに快感があるんですよねという人もいます。
場合によっては、これは職種の違いなどももちろんありますけど、チームでお互いの得意分野を持ち寄って1人ではできないことをチームで達成できたというときがすごい楽しいですよねという人もいます。
どこが楽しめるポイントなのかみたいなのは、このように人によってかなり違っていて、同じ仕事をやっていても結構実は楽しみ方が違うことも多々あります。
なので、特にある程度長いことその領域で頑張っていこうと思うと、自分なりに、この仕事の楽しみ方みたいなものを「見つけていく」「つくっていく」「磨いていく」ことは、すごい大事なところだと考えています。
そうですね…仰るとおりですね
今のお仕事について、それでいくと、自分的に上手く楽しめているかなとか、反対に事務的にやらないといけないとなっているかなというのはどういう感じですか。
そうですね……自分の仕事は、成果がそのまま収入に反映されるので、これくらいの成果が出たら年収はこれくらいだな。今の生活はこれくらいの年収だったら全然過不足ないし、特に不満もないし、これくらいでいいなっていうのが すごい自分の中に、いま強くあるなという風に感じました。
そういう必要な年収から、逆算してどれくらい売ればいいから、月に最低限これくらいやればいいし、逆にこれくらいまでさぼれるなみたいなのが自分の中にすごいあって、そういうところに自己嫌悪を気持ちとか、成長はあるけど 一皮むけないなぁという感覚があったんだなぁという風にすごい感じました。
今のお話、すごい気持ちはわかるように思います。効率化して、いかにどれくらいさぼれるか。早く帰れるか、ちゃんと有給が消化できるか、自分のプライベートの時間とお金をどう増やしていくかということも、人生において非常に大事なテーマです。
ただ、その考え方では、仕事というのは、最小化したいものみたいな扱いになってしまいます。仕事で一皮むけようと思うと、たぶんそのエンジンだけだと難しくて、仕事は仕事で、すごい楽しいよというものに磨いていけるといいかなというのはあります。
やはり仕事をやっていて、こういうところは好きだなとか、ここは楽しいなとか、これは嬉しかったなみたいなものは、探していくと誰しも何かしらはあるので、「そういったものにちゃんとフォーカスする」「一案件ずつちゃんとそれを感じ取る」そういったことが、まずすごい大事だと思います。
「仕事で一皮むけたい!」と思ったら、まず考えてみたいこと
- 自分のプライベートの時間をどう増やすか、いかに仕事を効率良くこなすかというエンジンで(それが悪いわけでは決してないけど)「仕事で一皮むける」のは結構難しいかも
- 「桁違いの成果を出す」「一皮むける」には仕事に対して価値や楽しさ、喜びを見いだせているかは非常に大事
- どう楽しむかは人それぞれポイントが違うので自分なりのやりがいや喜びを探してみる