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どういうときにみじめさを感じるのかを探究する

そうですね。ここまでいろいろ聞いていて、僕は改善すべき点を指摘されることとかを嫌とはあんまり感じないので、自分の未熟さとか、できてないこと自体に向き合うことが別に嫌なわけではないんだなっていう風に思いましたね。
なんかこう……自分の中で、これはできていなきゃいけないだろうみたいな水準が、いろいろなカテゴリーにおいて多分あって、それができてないって感じたとき、なんか惨めに感じるところがたぶんあるのかなって思って。
自分を惨めに感じるのはすごく嫌ですよね。

はい。ちょっと、そういうので、たぶん婚活みたいな話だと、女の人に受け入れられないみたいのは、惨めというか……、あんまり望ましくない状態という感覚があるので、失敗しないように準備して、うまくいかなかったら、あんまり僕もこの人に気持ち盛り上がらなかったし、っていう言い訳をして、みたいな。なんかそういうことが起こってるような気が、お話を聞いていて思いました。
今の話はちょっと興味深い話ですね。惨めに感じたらそりゃ嫌ですよね。惨めに感じて嬉しいという人はなかなかいないはずなんで、惨めというのは、そういう感情だと思うんですけど、Tさんにとって惨めに感じるって、いつ発動するのか、非常に興味深いです。
別に足りないところを指摘されても惨めに感じるわけじゃない。例えば仕事という文脈で、もっとこういうスキルあげた方がいいよ、と言われても惨めに感じない。ゴルフに行って、この打ち方だと変だから、こういう風にした方がいいよ、と言われても別に惨めに感じないだとして。
じゃあ、何だと惨めさが発動するのが、どの領域だとどのレベルだと発動するのかというのは、興味深いです。自分で思い当たるのはありますか。

そうですね。やっぱり、なんか男女関係において、自分は好意を持ってるけど、ちょっと相手には受け入れられていない、みたいなことは惨めさがある気がします。
あと、思い返すと、ちょっと昔ですけど、仕事で業績が良くない期間が続いていたときは、なんかすごい惨めな気持ちになったことがあったなっていう風に思いますね。あとは、部活でレギュラーから落ちてしまったときとか。なんか今パッと出てくるのはそんな感じですかね。
人間が「みじめさ」という感情を感じるとき
まず後者2つは、落ちるということに対する惨めさなんだなと思いました。前はこうだったのに、それ以下になってしまっている。そして、それってたぶん、惨めさという感情が生じるのは、すごい適切な感じがします。そういうときに人間って惨めだと思うんだよね、みたいな。同期で同レベルだと思ったのに、同期は先に出世してしまって惨めに感じる、みたいなことも類似例かもしれません。
結局、ある種相対的に落ちてるわけですけど、惨めさはそういうときに感じるし、これについては、そういう出来事や状況に直面したら、ちゃんと適切に惨めさや悔しさみたいな感情を感じたらいいのではないかなと思います。
そして、最初に出てきた男女関係の惨めさは、ちょっと今の話とは、一緒にしちゃいけない感じはしました。何故か言うと、男女関係は、結局どこまでいっても、まず相性がある世界だからです。さっきTさんが言った部活のスタメン落ちみたいな、一軸上の優劣は全くないですよね。
だから、仮にですよ、Tさんが高校生ぐらいのときに、クラスの男子ランキングと女子ランキングみたいなのしたとして、で、Tさんは男子20人の中の10位、真ん中だとします。何のランキングだか細かくはあれなんですけど、、、例えば、誰がかっこいいと思うか、素敵と思うかのを、男女それぞれ投票し合ったときの票数としては10位でしたみたいなことだとして、それは別に起こり得ると思うんですけど、でも、9位になった女性が、10位であるTさんのことが1番好きですというのは、別に平気で起こり得ることです。
1位と1位じゃないとマッチングしない世界では全くなくて、好みや相性がある。だから、こちらはなんかいいなと思うけど、好意を向けられないときもあるし、逆にこっちはいいなって思わないけど、好意を向けられることだってもちろんある世界です。
なので、こちらは好意を持っているけど、好意を向けてはもらえなかったということがあったとしても、そんなにそこで惨めに思わなくても、よくない?みたいなことは思いました。
さっきのランキングの話で言うと、高いほどいい。高いほどいいというか、高い方がより、あえて言いますけど、ランキングの高い女性とお付き合いできる確率が上がるみたいなことは、それはそれで傾向としてはあり得ると思うし、無視はできないと思うんです。それはそれで、要素としてはあると思います。
だけど、スポーツほど1対1対応じゃなくて、足が早ければ勝つみたいな、そこまで単純な一軸上の話ではないなというのは思うので。そんなに惨めに思わなくてもいいじゃんと思うんですけど、ここまで話を聞いて、「いやぁ、やっぱり惨めさ感じます」なのか、「確かに、そんなに惨めに思わなくてもいいかな」なのか、どういう感じでしょうか。

そうですね。なんか、どうだろう……。今の話でいきなり、惨めに思わなくていいんだって、パッと変わるわけではないですけど、同じようなニュアンスのインプットを、別機会で得たこともあって、なんかちょっとずつ考えが変わってるなという感覚はありますかね。
好意を向けられないときの感情はいろいろある

何ですかね。なんか自分なりの、水準がたぶんあって。さっきの部活だとレギュラーであるみたいな水準と。仕事も、業績は常にこれぐらいの水準を達成し続けてないといけないとか。恋愛関係においても、何ですかね、好意を持った人からは好意を持たれるみたいな。自分の水準やラインみたいなのがあって、そこを満たせないと、惨めな気持ちがなぜか発生しているのかもしれない、と感じました。
異性関係で言うと、例えば、普通に大好きな人に、告白をして振られたりしたら、すごいへこむ、悲しい、傷つく話ではあると思うんですけど、みんながみんな、惨めという表現が出てくるわけではないな、と思うんです。
振られたとき、すっごい悲しいとか、もう生きてる意味がないとか、死にたいとか、言う人は逆にいるかもしれないですけど。大好きな人と一緒にいられないんだったら、生きてる意味がないとかね、極端に言うとそういう表現あるかもしれないですけど、みんながみんな、「いやあ、惨めだ」というわけではないなって、まず思います。
じゃあなんで、Tさんにとって、惨めという表現が出てくるんだろうと思うと、ここまでTさんが言ってたことでもあるんですけど、普通みたいなのが結構大きいのではないかと今ひとつ仮説として考えています。
Tさんにとって、「普通は」というラインがあって、普通にたどり着けてないみたいな惨めさがあるのかなと。それを味わいたくない、普通は超えときたいよね、みたいな感じが結構あるのではないかなと思いました。
とはいえ、理屈上のツッコミとして、普通って何やねんって話なんですけど、でも、たぶん言葉としてTさんにおける普通があって、普通は下回りたくないな、みたいなのは、これまでずっと話してきたのでいうとありそうだなと思います。それはもしかしたら仕事、収入、社会的地位、信用、友達関係とかも含めて、あの人から普通以下だなと思われたくないな、とか。だからそれはちょっとTさん固有のこだわりポイントかもしれないです。

ありがとうございます。そうですね。それもなんかすごいあるなっていう風に思ったのと、なんか今話してるのをお聞きしていて感じたのが、過去の恋愛ですごい惨めだなって別に思ったことはなかったんですよね。20代ぐらいまでの恋愛では、全然振られたこともありますし、同じ人に複数回告白してダメだったこともあるんですけど、なんか惨めではなかったですし、やり切ったから良かったな、みたいな感覚だったんですけど。
なんで恋愛関係において惨めだなっていう感情が出るのかってなったら、さっきの普通はみたいな話とはちょっとずれちゃうんですけど、マッチングアプリがきっかけだったような気がしていて。
普通に生活していて、男女問わず、いろいろやり取りしていて、あしらわれるような扱いって、受けたことなかったないですし、したこともなかったんですけど、マッチングアプリだと、こう……人に対してやるような態度じゃないことを、普通に行ってる人がいるんですよね。なんか人として尊重されていない扱いを受けて、そのときにちょっと惨めだなって感じたのかなって、なんか話しながら思い出しました。
むしろそういうときこそ、相手を軽蔑して終わったらいい。そういうときこそ他責的を発動したらいいのに。

そうですね。いや、そうなのかもしんないですけど。そういう対応されないようにどうしようかって考えて、その考えた行動を、ミスらないようにして、みたいな。なんかそういう経緯を辿って、冒頭の話に至っているのかなっていう気もしてきましたね。
すごい雑な言い方になるかもしれないんですけど、それはちょっと……変にこじらせちゃったね。
婚活というフィールドだと、どうしてももちろん、時間がもったいないとか、お金がもったいないとかで、もうちょっとこの後あなたとはないですってことは、あり得る世界なだとは思うんですけど。とはいえ、礼儀みたいなレベルはあると思うので。それもできない人からも、一定以上の好意を得ようとか、どう考えても理屈としてあまりいいとは思えないので、そういうときほど、「ああ、ちょっと残念な人に当たっちゃったな」と、自責じゃなくて他責的にできればよかったですね。

そこはなんか謎の自責を発動してしまったかもしれません。単純に攻略したいみたいなモチベーションだったような気がしますね。
攻略…攻略したいと思って、でも、点は取りにいかないし……攻略したいんだったら攻略してくださいよ…。

こじらせてましたね(笑)でもなんか今の現状を把握できたのは良かったです。なんか、すっきりというか、それは違ったんだという整理ができたのでよかったです。ありがとうございます。
自分は、「みじめだな」という感情が出てくると自責思考で上手く考えることができなくなるかもしれない
- まずはどういうときに「みじめだな…」という感情が起こるか、丁寧に分析してみるのも大事!
⇒「みじめだ」という感情そのものが悪いわけではなく、惨めさも人生の中で自然と起こりえる感情の1つである - 今回のTさんの場合は。男女関係でみじめだという感情が起きていたのは、婚活(マッチングアプリ)での体験が原因だった!
⇒それに気づけたら次の行動は自然と変わる