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個人事業主が忙しさを減らし、売上は維持・増加させるためには
売上増えたんですけど、稼働もパツパツになっております、と。独立してね、仕事がなくて死にそうだというよりは、忙しいぐらいで、売上が立ってる方が、幸せだったり、ありがたかったりするとは思うんですけど。とはいえ、大変は大変だったときに、これは、過去の記事でも話してるんですけど、シンプルに単価の安い案件はやめて、単価の高い案件に集中していきましょう、ということが1つ王道です。
要は、時給換算で単価の高いものにできるだけシフトしていきましょうというのが王道・鉄則なんですけど、まぁ多少単価高くても、トータル収入で困らなくてやりたくない仕事は辞める、単価の問題じゃなくて、やりたい・やりたくない度で、やりたくない仕事は1回やめてしまってスペースをあけるというのもあります。
そこに、無理に次の仕事入れなくてもいいかもしれないですし、もし高単価な案件が入ってくれれば、トータルバランスもうちょっと良くなるよねみたいなことが、理屈上で言うとあるわけです。それはたぶん、Tさんも頭ではある程度分かっていらっしゃるんだと思うんですけど、その上で、何に困っているとか、何に悩んでいらっしゃる感じですかね?

そうですね。ちょっと将来への危惧みたいなところになると思うんですけど、過去のこの場でも、4社からお仕事をもらっていて、まあ4社それぞれボリュームと金額が違いますみたいな話をしてきたと思うんですけど、最近1社増えて、5社になったんですよ。なので、このままいけば、どれか1本なのか、2本なのか、外せばいいんですけど……。そう、一旦それを考えようとは思っているんですが、ようやく作った売上が下がるのを手放せないっていう、ちょっと一時の話なのかもしれないんですけどね。ちょっとそこが今引っかかっているっていうのが、今、思っていることでして。
なるほど。

もう一つ、将来への危惧みたいなところは、なんか繰り返しそう、このパターンというのを思っていてですね。なんか気づいたら、まぁ、ちょっと収入も作りたいなみたいなところで、新しいお仕事いただいたら、ゆくゆくそのちょっと苦しいなというお仕事を手放すということもできるなと思って、少しあんまり余裕ないのに、(新しいお仕事を)ねじ込んだみたいな感じなんです。
それで、こう一時的にパツパツになるのは分かってはいたんですけど、にしてはパツパツだな、苦しいな、みたいなのを、なんか今後もなんかまたやりそうな気がしていてですね。悪いわけじゃないんですけど、苦しいなっていう感じを、なんかうまくその前で堰き止めるなり、ちょっと整理できたらいいのかなって思ってる感じです。
自営業・個人事業主は、稼働量の上限を決めておくことは大事
稼働量の上限は、決めといた方がいいだろうなとは思いますね。稼働量の上限を、何で決めるのかは結構難しいんですけど、社数で決めるのか、1案件あたりの対応時間をおよそ見積もることができるんであれば、月間何時間とか、週間何時間までみたいな感じで時間で考えるのか。社数であれ、時間であれ、上限を決めとくのは、一つのやり方としてはありますよね。
例えば、雑にじゃあ月100時間までは働いていいやと思ってたとしてですね。今80時間働いてるけど、なんか新しい案件の相談がきた。でも、これ受けたら、月40時間プラスオンされるぞとなったときにどうするかという話です。収入も増えるけど、リミットの100時間を超えるぞ、みたいな。
そのときに、例えば3ヶ月間だけの案件だから、リミット超えるけど3ヶ月頑張るかなのか。いやいや、そういうことやってるから、いつも100時間を超えちゃうんじゃん、だからもう絶対に20時間以内の案件しか受けませんとするのかを考える必要があります。
やっぱり自営業だとセルフコントロールしないと、どうしたってパツパツにはなるので。何かしら社数なのか、時間なのか、自分なりに一つ基準は、売上とは別に持っておかないと、ちょっとコントロールしづらくなっちゃいますよねと思います。という、正直当たり前…めっちゃ当たり前の話なんですけど、それを聞いてどうでしょうか?

そうですね。前に石川さんにセッションしてもらったときも、フリーランスや個人事業主は、時間をちゃんと考えないとダメだよみたいなお話いただいて、そこは気にしているつもりではあったんですけど。なんか、やっぱり過去の働き方に引っ張られちゃって。
うんと……時間が足りないんだったら寝なきゃいいでしょっていう、なんかそっちに引っ張られちゃって、取りすぎちゃうんですよ。なので、ゴールデンウィーク、ひたすら、あの具合悪くて寝てたのも数日あるんですけど、たぶん1日夜中3時か4時くらいまで仕事して、短い仮眠で、また仕事して、ずっとずっとやってたゴールデンウィークだったんで、これマジ死ぬって思ってた感じでした。
それはだめですね……。

それでなんか、実態として自分どれくらい稼働してるんだっけ、みたいな。なんか何本も仕事を持ってると、いちいちこう細かいタスクとか時間つけたりするわけじゃないので。なんかあんまり時間感覚みたいなのが、どちらかっていうと納品とかになるので、仕上がってるのかどうなのか、納期に間に合うのかとかっていう頭ばっかりだったんですけど。
はた、と考えてみたら、ちょっと多く見積もって、見えてない時間とかも足したとしたら、なんか私、きっちり月160時間は働いてて、あれ?みたいな。いや、なんかそれが悪いとかじゃなくて、(独立した理由の1つに)もうちょっとボリュームを減らして、少し心がヘルシーに働けるようにしたいと思ったのに、なんかバチバチ働いてるんですよね。それはしんどいみたいなのを、ようやく理解したっていう感じです。
個人事業主は時間を厳しめにコントロールすることが必須
自営業だと目の前の売上のチャンスだったら、取りにいっちゃうのは、それはそれでやっぱありますよ。売上の不安というか、収入の不安って、会社員の比じゃないので。目の前に売上のチャンスあるんだったら、それは取りにいこうみたいに、どうしてもなっちゃうのは、私も独立してよくわかります。
だからこそ、時間の方も見といて、結構厳しめに上限を切らないと、本当に健康を害す働き方に平気になっていきがちです。そこはもう一回見直してくださいというのは、もう倒れたらね、本当にしょうがないので。本当に健康が第一なので、やってくださいと思います。
ちょっと今、気になったので、これも聞くんですけど、Tさんから事前に「もしかして働きたくない?」というトピックもいただいていたんですけど、仮説として、単純に働きすぎだからバランスが悪いだけなんじゃないかみたいなことも思いました。働くのをゼロにしたい気持ちがある、という可能性もゼロじゃないですけど、もしかして働きすぎだから、もうちょっとバランス取りたいなみたいなことでしかないんじゃなかろうかという可能性を感じてるんですけど、どうでしょうか?

うーん、そうですね。ちょっといろいろ話したい話があって、一つは、なんかバランス崩してるは、たぶんそうで。そうですね。なんか、ただ仕事しかしてないんですよね。
それを望んでたわけじゃないのに、ただ仕事しかしてなくて、毎日追われてる、苦しいみたいなのは、ちょっとやっぱり自分にとってはヘルシーじゃないなと思っています。じゃあ、どのくらいの稼働時間だったら、すごいヘルシー、気持ちがハッピーなんだろうみたいなのを考えたときに、今の自分じゃできないんですけど、1日4時間の稼働で週4だったら、すっごい幸せって思ったんですよね。なので、今の6割減しないといけないなと。うわ、それって無理だよな。でも収入はこのままキープしたいみたいな、そういう気持ちがありますが、一つ。
稼働量については、前にもお話されてましたよね。

それで気づきましたけど、こんなにゴリゴリ仕事して、なんかいっぱい収入作りましたが、割とハッピーなタイプではないのかもしれないな、と。結構自分のゆっくりした時間みたいなのも、前は、どれも平均でいいくらいの気持ちだったけど、実はここがポイントなのかもしれないなみたいなのにちょっと気づいて、「もしかして働きたくない?」という言い方になりましたというのが1つと。
あと、旦那さんも今フリーランスで、フリーランス同士なんですけど、作業としては、旦那さんは私より、それこそ6割減したくらいしか、作業の時間としてはやってないんですけど、収入は私より全然何倍も上なんですよね。なのでで、なんで私こんなに必死に働いて、もう目が回るとか、すぐ具合悪くなるくらい、睡眠時間も削ってるのに、あれ、なんでまだこのくらいの収入なんだろうな、みたいなのを、ちょっといろいろグダグダ持ってる感じです。
個人で仕事をするなら:単価は重要な要素
旦那さんとの違いの話でいうと、算数の理屈としては、もう単価しかないじゃないですか。旦那さんの方が作業時間は短いのに収入が多いというのは、単価が高いんですよね。
で、単価を上げる方法は、いくつかあるんですけど、そもそも労働収益じゃなくて、物販みたいなのもあるし、金融投資みたいなのもあります。いろいろな幅はあるので、中長期的なことを見据えて、例えば不動産投資みたいなことに、ちょっとずつ収入の一部を振り分けていくみたいなの、もうそれはそれでね、ちょっと考えてもいいと思います。
で、例えばですけど、アパート経営します。ミニマムのアパートの一室から始まって、でも家賃収入で、例えば毎月3万円は入ってきますと。でも、それに関して言うと、月の労働時間でいうと2時間ですみたいな稼ぎ方が、別にあるわけですよね。そうやって自分の時給を上げていく。ちょっとずつポートフォリオを改善していくというのは、もちろんあります。
このように、労働収益以外もちろんあるんですけど、とはいえ、本業の単価を上げてくというのが、王道メインかなとは思います。これは地道に築き上げるしかないですよね。それも1.2倍とか言ってないで、倍とか5倍とか10倍とかに単価を上げていくことによって、1日4時間の週4、1週間で計16時間勤務で、自分の欲しい収入もあるという状態は実現されるので、それもう自分の単価を上げてください。

ありがとうございます。それで言うと、ちょっと成長の兆しは見えたなの話に繋がるんですけど、冒頭の5社目が増えたという話の、その5社目は、ちょっと単価上げさせてもらったんですよ。で、今までの「何でも受けます、何でも屋さん」としての関わりじゃなくて、音声編集の、別にプロフェッショナルで入ったわけじゃないんですけど、音声編集担当として、その企業さんの公式ポッドキャストの企画とか、編集とか、台本作ったりとか、なんかそういうのを入らせてもらってですね。あんまり専門性で売ってなかったので、なんか1つ実績を作れたなみたいなのは、これまでいろいろ石川さんに相談した中での、ちょっと兆し、変化、成長かな、みたいな感じです。
そういうのをとにかくやっていくのが大事ですね。
これはたぶん前にも言った気がするんですけど、同じクライアントさんの案件でも、自営業だと、1年間お仕事いただきましたと。次の年に、こちらから単価アップの交渉しとかないと、向こうからアップしてくれることってなかなかないです。でも、1年間やって確実に自分のスキルは上がっております、市場価値上がっておりますみたいなこととかもあったりとかするので、そうだとしたらちゃんと自分から単価交渉していくことが大事です。
私がやっている研修講師のお仕事は、1日いくらの世界なので、すごい分かりやすいんです。私の場合は、最初独立したての頃は、たぶん丸1日研修講師やって、ロジカルシンキング研修とかね、そういうのをやって、たぶん3万円でした。丸1日8時間の研修をやって1日3万円。それが、1日5万円になってみたり、8万円になってみたり、まぁ、10万円になってみたりとかもしてくわけなんですけど、10万の時点でも3万円のときと比べたら、もう3倍になっているわけです。で、そうなってきたら、3万円の案件のご相談は断る。
このとき、自分のセルフイメージとしても、1日3万円の人間じゃないんだよなと思っとかないといけないんですよね。思っておかないと仕事を受けちゃう。割に合わないっていうセルフイメージ持っておかないと、3万円分引き受けたら、売上は増えるから、収入としては純増になるわけなので。割に合わないっていう感覚を持っておかないと受けちゃうんですよね。
それは、自分でコントロールしていく必要があります。そして新規の仕事の依頼がきたとき、「石川さんに頼むとおいくらなんですか?」って聞かれたときに、今、自分の中で1日3万円の案件もあるし、8万円の案件もあるし、10万円の案件もあるっていうときに、「おいくらなんですか?」って聞かれて、「1日15万円ですね」と言わないといけないんです。そういうセルフイメージを持っておかないと、単価というものは上がっていかない。
もしくはせめて、自分の中の最高単価のものは出してかないと。今現状、抱えてるのは実は3万円と8万円と10万円のお仕事だったから、新しい仕事の依頼にはせめて「10万円です」って言っとかないといけない。という、これも当たり前の話しかしてないですけど、自分の単価を上げるためには、それしかないんですよね。3万円の仕事を引き受け続けて、稼働が埋まってたら、いつまでも単価は上がらないです。

そこ、たぶんメンタルブロックみたいなの、なんかあるんでしょうね。うわ、なんか、うわあ、言えないなあって思いました。
なんで言えないんですか?

そうですね。発注側からしたらメリット何にもないじゃん、って思っちゃうからですかね。
なんかそれも、前に少し話したかもしれないですけど、発注者にはメリットしかないんだよなというセルフイメージでいた方がいいですよ。いた方がいいというか、いなかったら、その金額で受注できないですからね。
なんだろう、今言った単価で言えば、でも、他の研修講師の人とかだったら、10万円で自分よりいい研修してる人がいるもんなと思っているんだったら、(お客さんへのメリットを考えるなら)もうその人を紹介したらいいじゃないですか。「あの、今、私にお声がけいただきましたけど、私なんぞに頼まずに、あそこにすごいいい人材がいるので」って言ったらいいんですよ。
じゃあ、仮に私は1日15万円ですと言って、お客さんにとっては何の得にもならないなと、もし思ってしまうのであれば、この金額を納得させるバリューを出せるようになる、自分の実力を上げるということをする必要があります。
個人事業主として売上はあるけど稼働量が多くて忙しい
- 労働時間を短くして収入を上げるためには、「時間と連動しない方法で収入を得るか」「自分の単価を上げていくか」のどちらかしか基本的にはない
- フリーランス・個人事業主として仕事をするなら、単価の交渉は必須のスキル
- 適切な単価のセルフイメージを持つこと、高単価にしたら相手にメリットがないと思うなら、メリット(価値)を提供できるようスキルアップする